大坂は準決勝でツレンコに敗退も「価値のあるレッスンだった」 [ブリスベン国際]

 2019年シーズン開幕戦のひとつとなる「ブリスベン国際」(WTAプレミア/オーストラリア・ブリスベン/12月31日~1月6日/賞金総額100万ドル/ハードコート)の女子シングルス準決勝。

 彼女は世界ランク5位で、グランドスラム・チャンピオンとしてシーズン初のグランドスラム大会に臨もうとしているところであり、ふてくされないよう努めているところでもある。

 USオープン決勝でセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)を倒して以来、大坂なおみ(日清食品)には多くのことが起こり、彼女はいまだ、それと折り合いをつけようとしているところだ。特に、期待というものに対して。

 彼女はここ5大会のうち4つで準決勝かそれ以上にまで勝ち上がったが、タイトルは獲っていない。

 土曜日に世界27位のレシヤ・ツレンコ(ウクライナ)に2-6 4-6で敗れたことで、大坂は決勝進出と、3位に上昇するチャンスを逃した。

「もし本当に率直に言うなら、今日の私は最悪の振る舞いをしていたと感じている」と21歳の大坂は言った。

「いいプレーができていないことにどう対処したらいいのかについて、分かっていなかったと思うわ」

 第1セットにふたつのサービスゲームを落とした大坂は、第2セットの序盤にもブレークを許してしまったが、第6ゲームでふたつのブレークポイントを握って3-3に追いつくチャンスを手に入れた。しかし彼女はそこで一連のミスを犯し、ツレンコは結局キープして4-2とした。

 大坂は、あるポイントで空(くう)を蹴るようなしぐさをし、別のショットをミスした際にはラケットを地面に落としてしまった。それからゲームポイントでフォアハンドを大きく外したときには、どうやったらこれほどまずいプレーができるのかと納得がいかないような表情を見せた。

「ちょっぴりふてくされていたわ。そんなふうにしないよう努力していたときもあった。でも、それからボールが全然入らなくなって、私はまた子供みたいになってしまったの」と大坂は振り返った。

「だから、今日の私の主な問題はこんな感じだったということ」

「昨年にも、かなり頻繁にそんなことをしたと思うけど、私はそれを変えていくようにもっと努力するつもりよ。昨年の終盤にかけては、それができていたと思う。これが繰り返し起こるようなことでないよう願っている」

 決勝に至った際には4戦全勝という記録を誇っているツレンコは、第5シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)と対戦する際に、この好記録を更新したいと願っている。プリスコバは、夜に行われたもうひとつの準決勝で、ドナ・べキッチ(クロアチア)を6-3 6-4で退けた。

 ツレンコは、これに先立つ大坂との2対戦の双方で敗れており、その中にはUSオープン準々決勝も含まれている。

 第2セットの第9ゲーム15-40から、大坂はサービスエースによってふたつのマッチポイントを凌いだ。それから勇敢なドロップショットでアドバンテージをつかむと、さらなるエースでキープしてツレンコに食らいついた。

 しかし、ツレンコはひるまず攻撃を続け、ボレーのウィナーでまたも2つのマッチポイントをつかむと、その2本目で勝利を決めた。

 彼女は昨年のUSオープンで準々決勝に進出してからというもの自信を膨らませており、より攻撃的な姿勢でプレーするようになっている。

「これが私のベストのテニスとは言いたくないけれど、かなり高いレベルだったわ」とツレンコは試合後に言った。

「なおみのような選手が本当に力強くプレーしているときにさえ、今の私はコート上でどんなプレッシャーにも対処できると感じている」

 一方の大坂は今、以前とは違った期待に対処しなければならなくなっている。

「以前なら、私はある意味、そこにいるだけでナーバスになっていたと思う。今の私は、自分は勝つべきなのだと思うがゆえにナーバスになっているし、人々が私が勝つことを当然のように期待していると感じている」と彼女は漏らした。

「それで余計にナーバスになるわ。でも、少しずつ慣れ始めているような気がしているの」

 大坂は、ことがうまくいかないときにふてくされないようにするという点を重視しながら、1月14日に始まるオーストラリアン・オープンに向けての準備を続けることになる。

「ある意味でこの経験は、私にとって大会に勝つよりも収穫があったのかもしれない。なぜって、今回のようなやるせない感覚になったおかげで、今日は私がこのような状況を改善させるために何をすべきかを学んだと思うから」と彼女は言った。

「私がそのように感じる瞬間はそれほど多くある訳じゃない。でも、ええ、今日は非常に価値のあるレッスンだったと感じているわ」

 ダブルスは決勝が行われ、第3シードのニコール・メリカ(アメリカ)/クベタ・ペシュク(チェコ)が第4シードのチャン・ハオチン/チャン・ラティーシャ(ともに台湾)を6-1 6-1で下して大会を制した。(C)AP(テニスマガジン)

女子ダブルス優勝のニコール・メリカ(アメリカ/右)とクベタ・ペシュク(チェコ/左)
BRISBANE, AUSTRALIA - JANUARY 05: Nicole Melichar and Kveta Peschke celebrate their victory after defeating Hao-Ching Chan and Latisha Chan in the Women's Doubles final during day seven of the 2019 Brisbane International at Pat Rafter Arena on January 05, 2019 in Brisbane, Australia. (Photo by Bradley Kanaris/Getty Images)

※トップ写真は大坂なおみ(日清食品)
BRISBANE, AUSTRALIA - JANUARY 05: Naomi Osaka of Japan plays a forehand in her semi final match against Lesia Tsurenko of Ukraine during day seven of the 2019 Brisbane International at Pat Rafter Arena on January 05, 2019 in Brisbane, Australia. (Photo by Bradley Kanaris/Getty Images)

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