ビーナスが初戦敗退を回避、“経験”で状況を覆す [オーストラリアン・オープン]

「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・メルボルン/本戦1月14~27日/ハードコート) の大会2日目、女子シングルス1回戦。

 ここ6年で4度目の初戦敗退に危険なまでに近づいたとき、ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)にとって状況はよくないように見えていた。

 第25シードのミハエラ・ブザネスク(ルーマニア)に対するこの試合で、3ポイントの間に2度のダブルフォールトをおかしたとき、ビーナスは1セットとワンブレークダウンの劣勢に立たされた。

 その時点で試合が始まってから1時間半が経過しており、ビーナスはあと1ゲーム落とせば敗戦というに崖っぷちに立たされていた。

 だが、続く70分にわたり、ビーナスは決まりかかったかに見えた敗北から、勝利へ移行していく。彼女は最終的に、ブザネスクに対して6-7(3) 7-6(3) 6-2の勝利をおさめ、2回戦に進出した。

「かなり難しかったわ」と38歳のビーナスは言った。

「この試合が、大会の残りのための準備として、役立ってくれればと思う」

 7つのグランドスラム・タイトルを獲り、エネルギーを搾り取るショーグレン症候群という病と闘った経験を持つビーナスは、グランドスラム大会のコートでやるべきことを知っている。

 故障に強いられた休息期間に、スポーツサイエンスで博士号を取った30歳のブザネスクに対するこの試合は、このところのビーナスの成績同様に多くのアップダウンに満ちていた。

 妹のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)に決勝で敗れた2017年オーストラリアン・オープンを含め、6つのグランドスラム大会の枠の中で2度決勝に至り、さらに2度準決勝に進出した真の復活劇のあと、ビーナスはここ4つのグランドスラム大会のうち2つで1回戦負けを喫していた。

 最近の成績のせいで、元世界1位の彼女は現在36位だ。彼女がこれ以前にシードなしで臨んだ最後のグランドスラム大会は、2014年オーストラリアン・オープンだった。

 そんなわけで、ブザネスクがグランドスラム大会の本戦に出場するのは5度目に過ぎなかったとしても、シードという観点から見れば、この試合でのビーナスはアンダードッグだった。

 ブザネスクは、オーストラリアン・オープンでの初勝利を求めて大会に臨んだ。今大会本戦初出場だった1年前、彼女は1回戦で最終的に優勝したカロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)に敗れていたのだ。

 ビーナスは、状況を覆す助けとなったのは“経験”だと言った。

「私はもうかなり長いことプレーしていると感じているわ」」とビーナスは言った。彼女は最近、長年のコーチだったデビッド・ウィットと袂を分かっていた。

「ただ懸命に戦い、対戦相手よりいいプレーをするよう努めなければならないのよ。今日はそれがうまくいったわ」

 確かにそうだが、ちょっぴり危険で、どんな結果になるか見当がつかない試合だった。

 ブザネスクは、第2セット5-3から自分のサービスゲームに入ったが、ビーナスはこれをラブゲームでブレークした。それから突入したタイブレークで、相手より上のプレーをした。第3セットでのビーナスは、すぐにブレークして2-0とリードし、それでほぼ勝負は決まった。

 よかった部分があるとすれば、それはビーナスが2時間半を超えた試合が長引けば長引くほど、どんどん強くなっていくように見えたことだ。

「本当のマラソンだった」とビーナスは言った。

「彼女は驚くべきプレーをした。彼女を克服するのは本当に大変だったわ」

 ビーナスは2回戦で、アリゼ・コルネ(フランス)と対戦する。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)
MELBOURNE, AUSTRALIA - JANUARY 15: Venus Williams of the United States celebrates after winning match point in her first round match against Mihaela Buzarnescu of Romania during day two of the 2019 Australian Open at Melbourne Park on January 15, 2019 in Melbourne, Australia. (Photo by Darrian Traynor/Getty Images)

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