今年最初のグランドスラム「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・メルボルン/本戦1月14~27日/ハードコート)が開催される中、オーストラリアの男子テニス界は厄介な状況にあるようだ。

 今のオーストラリアの男子テニス界は、ロッド・レーバー(オーストラリア)やケン・ローズウォール(オーストラリア)のような、過去のスターたちの上品さとは対照的だ。もう少し最近のことでは、パトリック・ラフター(オーストラリア)がビデオリプレイの採用よりずっと前に、ラインコールの間違いを申し出て対戦相手にポイントを与えたこともあった。

 それに対して現在のオーストラリアの男子テニスは、ツイッターでの暴言、コート上での恥知らずのコメントなどで満ちている。あるプレーヤーは、デビスカップ監督のレイトン・ヒューイット(オーストラリア)に辞任を求める発言をした。

 さらによくないことに、肝心のテニスでの立派な成績が非常に少ないのだ。

 大きな例外は、アレックス・デミノー(オーストラリア)だ。19歳のデミノーはオーストラリアン・オープンで3回戦に進出し、金曜日にグランドスラム大会を17度制したラファエル・ナダル(スペイン)と対戦する。そしてジョン・ミルマン(オーストラリア)は水曜日、第22シードのロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)に5セットの戦いの末に敗れはしたが、素晴らしい戦いぶりを見せた。

 木曜日には、さらにいくつかの吉報もあった。ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したふたりのオーストラリア人が、3回戦に歩を進めたのだ。

 第29シードのジル・シモン(フランス)と対戦したアレックス・ボルト(オーストラリア)は、2-6 6-4 4-6 7-6(8) 6-4で勝利をおさめる過程で4つのマッチポイントを凌いだ。アレクセイ・ポプリン(オーストラリア)は第7シードのドミニク・ティーム(オーストリア)が筋肉の痛みを理由に棄権したため、試合を終えずに勝ち上がりを決めた。彼はその時点で7-5 6-4 2-0と、明確にリードを奪っていた。

 しかし上記を除いては、状況は思わしくなかった。

 確かに、ヒューイットも現役時代には、ときには審判や他の選手、メディアと言い争い、常に完全な“いい奴”だったわけではない。しかし、バーナード・トミック(オーストラリア)やニック・キリオス(オーストラリア)のような自己破壊的なダイナマイトと比べれば、まだ穏やかであるように見える。

 トミックは1回戦で敗れたあと、元世界ランク1位で2度グランドスラム大会で優勝したヒューイットに、デビスカップ監督の座から降りることを要求した。トミックが自分なしにはオーストラリアはデ杯で勝てないと主張し、ヒューイットは、自分が監督である限りトミックは代表に選ばれることはないだろうと言うことで反撃した。

 現在のトミックの調子の悪さから見て、いずれにせよ2月にアデレードで行われるボスニア・ヘルツェゴビナとのデビスカップ初戦(ファイナルズ予選)に招集されることはなかっただろう。

 しかしトミックはさらに一歩踏み込み、ヒューイットは自分がプロモートしている選手に個人的な関心があるのだと示唆した。

「もはや彼のことなんか、誰も好きなんかじゃないよ」とトミックはヒューイットについて発言した。

「多くの選手たちが快く思っていない、多くの問題があるんだ。それらのプレーヤーたちが誰かは、周知の事実だ。僕自身、(タナシ)コキナキス、(ニック)キリオスさ」

 ヒューイットは、「バーニー(トミック)はバーニーなんだよ。負けて、同じことを続けて、文句を言うのさ」と言っただけで、トミックとの喧嘩に足を突っ込むつもりはないようだった。

 これらのトミックのコメントを受けて、コキナキスとキリオスは、自分たちがヒューイットと問題を抱えているということを否定した。しかし水曜日の夜のデミノーの試合中に流れたキリオスのツイッターでのコメントは、逆のことを示唆しているように見えた。

 デミノーが予選勝者のヘンリー・ラクソネン(スイス)を5セットの末に破った試合の間、キリオスはデミノーのプレーヤーボックスからテレビのコートサイド解説を行っているヒューイットのスクリーンショットをインスタグラムに投稿した。

 キリオスはフォロワーを相手に、ヒューイットが観ているのは誰の試合かについて投票を求め、2つの選択肢を与えた。『デモン(デミノーのあだ名)』、『他の誰でもない』。

 オーストラリア2番手のミルマンと3番手のマシュー・エブデン(オーストラリア)は、デミノーの試合と同時にそれぞれの2回戦の試合をプレーしていた。

 そのことからキリオスは、ヒューイットは自分がスペイン人コーチのアドルフォ・グティエレスと一緒に指導してきたティーンエイジャー、デミノーにしか興味を持っていないのだと示唆しているように見えたのである。

 トミックとキリオスは、トミックが2011年、キリオスは2014年と、ともに10代のときにウインブルドン準々決勝に至っていた。しかしそれ以来、このどちらもグランドスラム大会でその段階を超えることができていない。

 現在オーストラリアで4番目のランキングであるキリオスは、少しあとにそのインスタグラムへの投稿を削除した。彼はまた、ブリスベン国際の際にも、自分やコキナキスの試合を見ていなかったことについてヒューイットを批判していた。

 ヒューイットのダブルスでのオーストラリアン・オープン復帰が1回戦負けで終わったとき、キリオスもトミックもすぐには反応しなかった。

 37歳のヒューイットとジョン パトリック・スミス(オーストラリア)はワイルドカードで男子ダブルスに出場し、マーカス・ダニエル(ニュージーランド)/ヴェスレイ・クールホフ(オランダ)に6-3 1-6 4-6で敗れていた。

 1960年から70年代にかけてウインブルドンでの3度の優勝を含め、グランドスラムのシングルスで7度タイトルを獲ったジョン・ニューカム(オーストラリア)は、ヒューイットにこのような口論に足を突っ込まないようにアドバイスした。

「私はこの間、レイトンに“いろいろ言われていることは、相手にするな”と言ったんだ」とニューカムはAP通信に明かした。

「“自己弁護などする必要はない。君のやっていることは、皆が見ているんだから”とね」

「一般の人々は、レイトンがやっていることを目にしている。しかし、バーニー(トミック)はマイクを握るたびに、オーストラリアテニス協会か、そこにいる誰かを攻撃するんだよ」

 ミルマンは、バウティスタ アグートに対する敗戦のあとに、自分は「デ杯監督、コーチ、サポートスタッフに、かなりよくサポートされていると感じている」とコメントした。

 彼はまた、トミックのことを『はぐれ者』、キリオスのことは『すごくいいやつ』と表現ならがらも、彼らのことが好きだと言っている。

 おそらく、彼は最良の解決策を持っているのかもしれない。これらの騒動についてミルマンは、最後にこう語ったのだ。

「こういうことは、右の耳から左の耳に抜けさせるんだよ」(C)AP(テニスマガジン)

※写真はレイトン・ヒューイット(オーストラリア)
MELBOURNE, AUSTRALIA - JANUARY 16: Lleyton Hewitt watches the second round match between Henri Laaksonen of Switzerland and Alex De Minaur of Australia during day three of the 2019 Australian Open at Melbourne Park on January 16, 2019 in Melbourne, Australia. (Photo by Mark Kolbe/Getty Images)


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