ワウリンカ2回戦敗退「僕は悲しみとフラストレーションを感じている」 [オーストラリアン・オープン]

「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月14~27日/ハードコート)の大会4日目に行われた男子シングルス2回戦で、スタン・ワウリンカ(スイス)はミロシュ・ラオニッチ(カナダ)に対してセットを先取し、第2セット奪取まであと2ポイントというところまで迫った。しかし彼は、そのチャンスをつかめなかった。

 その約1時間後、2014年大会優勝者のワウリンカは、第3セット奪取まであと1ポイントと迫っていた。しかしそこでも、その1ポイントが取れなかった。

 そしてさらに1時間が経ったとき、ワウリンカは第4セットを取って5セットの戦いを相手に強いるまであと2ポイントというところにこぎつけた。しかしこれもまた、この午後には、やってのけることができなかったのである。

 ワウリンカは、あと一本というところまで繰り返し迫ったが、ラオニッチは踏ん張り続け、6-7(4) 7-6(6) 7-6(11) 7-6(5)で勝つ過程で、もっとも重要な瞬間に堅固さを見せた。この勝利によって第16シードのラオニッチは、3回戦に駒を進めた。

「僕はいくつかのポイントを取り損なった」とワウリンカは言った。

「試合の行方を変え得た、いくつかのポイントを…」

 それは事実だった。

「4時間が、15分くらいの間に過ぎだったように感じた。アドレナリンに溢れていたせいで」と2016年ウインブルドン準優勝者のラオニッチは振り返った。

「第4セットを生き延びられたのは、すごく幸運だった」

 第3セット4-4のところで雨が降り出し、ロッド・レーバー・アリーナの屋根を閉じる間、試合は30分ほど中断された。ラオニッチは、そのことが自分にとってかなり助けとなったと考えていた。

「僕はアウトドアでよりも、インドアでのほうが少し成績がいい。だからあそこで雨が降ったことには感謝しているよ」

 ラオニッチは39本のサービスエースを決めており、これは、ウィナーの合計84本、アンフォーストエラーの合計44本という印象的な比率の一部だった。

 双方の選手の実績や肩書を考えれば、ワウリンカ対ラオニッチは、2回戦というよりグランドスラム大会の2週目にふさわしいカードだった。しかし、グランドスラム大会を3度制し、かつて世界3位にまで上ったワウリンカは、左膝の手術とそれに続く活動休止のため、トップ250位の外にランキングを落としていたのだ。

 彼のトレードマークである片手打ちバックハンドは、これまで同様、危険な武器だったし――彼はそのショットでのウィナー数で16対2と相手を大きく凌いだ――サービスエースも28本記録していた。

 しかし、ラオニッチの獲得ポイントが「163対161」と、ワウリンカより2ポイント多かっただけであることが見せるとおり、あらゆる面で非常に拮抗した試合だったにもかかわらず、ワウリンカは本当に必要だったときに抜け出すことができなかった。

 それにはもちろん、ラオニッチのプレーも関係していた。ラオニッチがサービスでなんとか困難から抜け出ることに成功した、第3セットのタイブレークもその一例だ。

 そこでのワウリンカの3つのセットポイントの最初のものは、6-5のときにやってきた。ラオニッチは時速208kmのサービスを打ち込み、続いてフォアボレーを決めた。8-7からのポイントでは、ラオニッチの時速201kmのサービスがワウリンカのリターンミスを引き出し、10-9からは時速213kmのサービスが功を奏した。そして時速198kmのサービスが結局、ラオニッチにそのセットを与えることになった。

 最後のタイブレークでもワウリンカは5-4とリードしていたが、ラオニッチはそこから3ポイントを連取して第5セット突入を回避したのだった。

「今日の僕は悲しみと、フラストレーションを感じている」とワウリンカはコメントした。

「でも全般的に言って、少し距離を置いて見てみたら、ふたたびこのレベルでプレーできるようになったこと、あれほどよく動くことができるようになったことを、僕はうれしく思う」

 大会4日目のそのほかの男子シングルスでは、2014年USオープン準優勝で第8シードの錦織圭(日清食品)が39歳のイボ・カルロビッチ(クロアチア)からの59本のサービスエースに耐え抜き、6-3 7-6(6) 5-7 5-7 7-6(10-7)で勝利をもぎ取った。

 第7シードのドミニク・ティーム(オーストリア)は地元ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したアレクセイ・ポプリン(オーストラリア)に対して最初の2セットを落としたあと、第3セットの途中でリタイアした(7-5 6-4 2-0 途中棄権)。

 前年4強入りした第24シードのチョン・ヒョン(韓国)は、ピエール ユーグ・エルベール(フランス)に2-6 6-1 2-6 4-6で敗れた。

 また、ロッド・レーバー・アリーナの最後の試合で、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)はジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)を6-3 7-5 6-4のストレートで退けた。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はスタン・ワウリンカ(スイス)
MELBOURNE, AUSTRALIA - JANUARY 17: Stan Wawrinka of Switzerland hits a forehand to Milos Raonic of Canada on day four of the 2019 Australian Open at Melbourne Park on January 17, 2019 in Melbourne, Australia. (Photo by TPN/Getty Images)

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