三菱電機が厳しい戦い制してチーム初のV2 [第33回テニス日本リーグ]

「第33回 テニス日本リーグ」の決勝トーナメント(2月8~10日/神奈川県横浜市・横浜国際プール/室内カーペットコート)は最終日、男女の決勝と3位決定戦が行われ、男子決勝は三菱電機がイカイを3勝0敗で下し、2年連続3度目の日本一に輝いた。

 決勝カードは2年連続で「三菱電機対イカイ」となった。第1試合は高橋悠介と福田創楽のS2対決。両者は昨年の決勝でも対峙して高橋がフルセット勝利を収めたが、それ以来1年ぶりの対戦だった。

 久々の対戦とあって多少の不安もあったが、高橋は決勝トーナメントを勝ち上がる中で確かな自信も得ていた。「準決勝でタフな試合を勝ちきることができ、気持ちに余裕があった。相手が試合前から緊張しているのもわかり、思いきりのいいテニスができた」と高橋。序盤から福田にプレッシャーをかけ続ける先手必勝の戦いぶりで6-3 6-2と完勝する。

S2の仕事を完璧に果たした高橋

 V2に王手をかけた三菱電機は、続くS1対決に今季からチームに加入した清水悠太をコートに送り込む。イカイは190cm超のレフティーで、世界ランク297位のケビン・キング。強力なサービスを武器にネットプレーを仕掛けるキングに対し、清水も負けじと応戦した。ベースラインから針に糸を通すようなパッシングショットをコート隅に突き刺す――第1セットからスリリングな展開が続いた。

グランドスラム出場経験もあるキング

 5-5で迎えた第11ゲーム。清水が好調のリターンゲームで均衡を破る。このセット3度目のブレークに成功すると、続くサービスゲームもしっかりと守って7-5で先取。第2セットは一気に5-1とリードを奪い、マッチポイントではこの試合で何度も目にしたバックハンドのパッシングショットをきれいに決め、清水は両手を広げて喜びを爆発させた。

優勝を決めて歓喜する清水

 三菱電機は残るダブルスでも集中を崩さず、福田健司/矢多弘樹が市川泰誠/松崎勇太郎に6-3 6-2で勝利。3勝0敗で見事にV2を達成した。

 豆谷智治総監督は「決勝トーナメントは苦しい3試合だった。ギリギリのところで勝つことができて本当にうれしい」と安堵の表情を見せた。プロ転向初の日本リーグ参戦となった清水は「1年目でS1を任されて不安も多かったけど、チームや応援してくれる社員のみなさんのおかげで勝つことができた」と笑みがこぼれた。

三菱電機の社員選手、矢多(手前)と福田のダブルスも勝利

 他チームが「打倒・三菱電機」に燃え、選手の大型補強や緻密な作戦を敷いてくることはわかっていたが、準々決勝のエキスパートパワーシズオカ、準決勝の橋本総業ホールディングス戦は2勝1敗と苦しい戦いが続いた。それでも、「結果的に“一戦必勝”の気持ちで戦うことができ、さらにチームが強くなった」とダブルスに出場した福田が振り返った。

(編集部◎中野恵太 写真◎菅原 淳)

※トップ写真は、優勝を決めた清水の元に駆け寄り祝福する三菱電機メンバー

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