昨年優勝のイズナーが、タイトル防衛でマイアミ・オープンへ

アメリカ・フロリダ州マイアミで開催されている「マイアミ・オープン」(ATP1000/3月20~31日/賞金総額931万4875ドル/ハードコート)。

 ジョン・イズナー(アメリカ)がタイトル防衛のため、最初に町に戻って来たとき、彼はNFLドルフィンズが使うスタジアムのある新しい会場ではなく、キービスケーンの古い大会会場に練習をしに行った。

 もちろん、彼がどこに行けばいいかわからなかったということではないし、初めてマスターズのトロフィーを獲得した場所で、よいバイブレーションを吸い込みたかったという訳でもない。

「便利だったからだよ。僕のホテルに近かったんだ。ただコートに出て行って体を使い、汗をかきたかった。実際、かなり奇妙な感じだった。なんか静かでね。あの場所にはまだ大会の魅力が漂っているんだけど、間違いなくどこか違っているようだった」とイズナーは語った。

「僕らは皆、駐車場に入っていき、会場が活気に満ち、ごった返しているというのに慣れている。今回はそんなふうではなかった」

 本戦の初日が予定されていた新しいマイアミ・オープン会場も、そう活気づいていた訳ではなかった。というのも、火曜日を通して1日中降っていた雨のために、全試合が雨天順延となってしまったからだ。

 大会は、水曜日にふたたび大会開始にトライする。第9シードのイズナーと、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)やロジャー・フェデラー(スイス)のようなほかのシード選手たちは、1回戦がBYE(免除)のため、金曜日より前にプレーすることはない。

 今季10勝6敗という戦績のイズナーだが、彼が2018年大会にやって来たときには1勝6敗といういっそう冴えない成績を引っさげていた。にもかかわらず、彼は6試合に連続して勝ち、そのうち3試合ではトップ6の選手を倒した。

 昨年のマイアミ・オープン準優勝者のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)と、捨て犬の保護などを行っている「ヒューマン・ソサエティ・オブ・グレイター・マイアミ」を訪れたあと、イズナーは、「たぶん僕はタイトルを防衛しないだろう、ということはわかっている」とくすくす笑いながら言った。

「しかし同時に、この規模の大会にディフェンディング・チャンピオンとして戻って来るというのは、素敵なことだ。このような状況に身を置いたことはこれまで一度もなかったからね。ただただ楽しみにしている。プレッシャーはないよ。僕は、『ああ、たくさんのポイントを失ってしまう』、などという見方はしない。そんなものの見方はできないよ。これはただ、僕がいい進撃をしたいと願う、もうひとつの大会なんだ」

 イズナーは、フロリダでのパフォーマンスが、シーズンのその後に自分を大いに助けることになった、促進力を与えてくれたとコメントした。彼はマイアミで得た勢いに乗って、7月のウインブルドンで準決勝に進出した。それはグランドスラム大会における、彼のキャリア最高の戦果だった。

 その勢いは、今季にも持ち込まれているだろうか?

「残念なことに、そういうものにも賞味期限があるようだ」とイズナーは言った。彼は、1月のオーストラリアン・オープン1回戦の同胞対決で、ライリー・オペルカ(アメリカ)に敗れていた。

「選手はそれぞれ違うものだが、僕に関して言えば新年が始まったときに、すべてはリセットされると感じている。昨年の終わりに素晴らしいプレーをしたとしても、約2ヵ月のオフがあり、すべてはリセットされるんだよ」(C)AP(テニスマガジン)

※写真はジョン・イズナー(アメリカ)、3月12日撮影
INDIAN WELLS, CALIFORNIA - MARCH 12: John Isner of the United States plays a forehand against Guido Pella of Argentina during their men’s singles third round match on Day 9 of the BNP Paribas Open at the Indian Wells Tennis Garden on March 12, 2019 in Indian Wells, California. (Photo by Yong Teck Lim/Getty Images)

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