モンテカルロ・カントリークラブ ~クレーコート シーズン開始!!~

いよいよクレーコートシーズンも始まりますね。

私たちのクラブはTHE ROAD TO WIMBLEDON JAPAN 2019 の準備で大忙しですが、
今回は来週から熱戦の会場になる、モンテカルロ・オープンの会場のMONTE-CARLO COUNTRY CLUBをレポートしてみようと思います。

例によって、大会はテニスマガジン本誌や、ツアーコーチの方々のブログなどで詳細が解ると思いますので、私は普段は見ることができない、クラブの写真など側面を紹介していこうと思います。

入り口はシンプルで中の様子が解りにくいのが、ヨーロッパのハイクラスのクラブの特徴かもしれません。

ニース コート・ダジュール空港からタクシーで、約1時間。

この世界でも最高級に豪華な街で1時間もタクシーに乗ったら料金はとんでもないことになるのでは・・・。と考えてしまうのが、私の小市民な所です。

実際は、モナコはどんなに乗ってもタクシーの上限が100ユーロと決められているということなので、少々、高額にはなりましたが、街の雰囲気ほどには、財布にダメージはありませんでした。

MONTE-CARLO COUNTRY CLUBは、モンテカルロの名前を冠していますが、正確にはフランス地区に存在します。

1893年にLawn Tennis de Monte-Carlo”という名称から始まり、原型は1921年にLa Festa Coutry Clubという名前で開設したそうです。

ジョコビッチがメンバーに名を連ね、ヨーロッパの各国からアクセスも良く、(高価ではあるが)住みやすい土地のため、ディミトロフ、ゴファン、ベルディヒなど、ヨーロッパ勢のトップ選手が頻繁にトレーニングに訪れているとのことでした。

白いパラソルに青い海、赤土のコートのコントラストが美しく映ります。

少し解りづらいですが、クラブの全体図の模型です。

大会やトレーニングのために充実した設備もさることながら、まず、クラブからの眺めに目を奪われます。青い海、白いパラソル越しに地球海からの風が吹き抜けます。

コートまで降りる階段のアプローチの壁が薄茶色のレンガ積みなことや、歴代の優勝者が刻まれたプレートが大理石なことも、全てがこの豪奢な街にぴったりとはまります。

ヨーロッパの古城の庭のようなエレガントな風景が連なります。

モンテカルロ・テニスクラブのプレジデントのElic氏と。

ロッカーが木製でシックなのも雰囲気があります。

大理石に刻まれたレジェンド選手の名前の数々。

赤褐色のコートでプレイを楽しませていただき、地中海風のシーフードと白ワインをクラブハウスのテラスでご馳走になった頃には、気分だけはモナコで豪遊する王侯貴族の気分になっていました。

私もコートでプレイさせていただきました。大会時には仮設のスタンドを建設するそうです。

地中海のランチとワインがクラブの雰囲気を高めます。

「そろそろ、街を案内しよう」

クラブを案内してくれている、ミカエルさんが車のキーを持って立ち上がります。私服こそ洒落たナイスミドルですが、軍服が似合う彼は、現在のモナコ公国の王であるアルベール2世のお世話の仕事をしているそうです。彼に街を案内していただけるなら、間違いはないでしょう。

クラブと街を案内してくれたミカエルさん(左)。右は前ウインブルドン会長のフィリップさん。

ここで私の無知をさらします。実は、私は車の知識がなく価値も解らないため、この街の素晴らしさを1/10も伝えることができません。モナコと言えば、車好きにはたまならい街です。いたる所にスーパーカーが溢れ、夜になると一晩中、立ち並ぶカジノを背景に甲高いエンジン音が鳴り響きます。

宿泊先のホテルで、ちょっと立ち話をしたマダムもバケーションに車を5台持ってきているとか言っていましたから、リッチな車好きが世界中から集まる街なのでしょう。

どこを見回しても高級車ばかりが走っています。

クラブのメンバーには、クラブのロゴが入ったオリジナルのナンバープレートがプレゼントされるそうです。
流石はモータースポーツのメッカ。

ミカエルさんが、モナコのレースコースになっている、トンネルでアクセルを踏み込みます。流石に私もモナコグランプリは名前くらいは知っていましたが、本物は全く違います。

グランプリ期間中、普段は人口3万人の小国に、およそ20万人の観客が訪れる。

モナコ王室を始めとして、政財界の協力によって行われる国家的な観光イベント。

モナコのモンテカルロ区とラ・コンダミーヌ区の公道を閉鎖して造られた1周3,340mのモンテカルロ市街地コースを走り抜ける、世界で最もエキサイティングなレースのひとつ。

そんな知識程度はあるのですが・・・。本当に、普通の街並の狭い道を、そんなスピードで走るなんてことは想像がつきませんでした。

このトンネルをレースの時は200km以上のスピードで疾走するのですから信じられません。

美しい崖にそって伸びるコース。

車1台がやっと通ることができるような、
身が縮むようなコーナー。

コースの突き当りに、
そびえる豪華絢爛なカジノ。

日が落ちると、
ひと際、輝きを増すブルータワー。

その数々のパズルのピースが合わさって、世界でも屈指のレースが組みあがっていくのでしょう。それは、こんな私にさえ、一生に一度は見てみたいと思わせるピースばかりでした。これが本物の力なのでしょう。

街の豪華さを象徴するブルータワー。最上階あたりの家賃はフラットで、月に数億円。

しかし・・・ここで、ふと思いました。

日本にいる時の私に、どんなにモナコグランプリの素晴らしさを伝えても、無知で、感性も低い私には、何も伝わることはなかったでしょう。

昔、聞いたエピソードがあります。有名なバイク漫画家の方が、最初は公道でのバトルを描いていて、人気作家となったそうです。しかし色々な事情から、舞台をサーキットに変えて描きはじめた時点から、人気に陰りが見え始めたそうです。そして皮肉なことに、作家の方はサーキットの素晴らしさに魅せられ、この感動を読者に伝えなければと、使命感に必死になればなるほど、読者は興味を失っていったと聞いたことがあります。

このエピソードは、昔から私の座右の銘のようなものになっています。

「人に本物や本当に素晴らしいものを、伝えることは非常に困難」

「人は身近に手に触れることができるもの、刺激的なもので満足し、イメージすることを止める」

ロレックス・モンテカルロ・マスターズ。始まります。

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