「ナダルはダントツでクレー最強」とティーム [ムトゥア・マドリッド・オープン]

スペイン・マドリッドで開催されている「ムトゥア・マドリッド・オープン」(ATP1000/5月5~12日/賞金総額727万9270ユーロ/クレーコート)。

 ラファエル・ナダル(スペイン)はここ4年というもの、これほど多くの躓きとともにクレーシーズンを始めたことはなかった。

 こんな事態が起きたのは、ナダルがヨーロッパでのクレーコートシーズンのスタートを告げるモンテカルロやバルセロナでタイトルを勝ち獲ることなくマドリッドに至った、2015年以来のことだ。

 その年の彼は一連の故障から復帰したところで、前述の大会の双方で決勝に至ることさえできなかった。その年のナダルは、マドリッド、ローマ、そしてフレンチ・オープンでもタイトルを獲得できず、10年ぶりにトップ5以下に転落した。

 しかし今、様相はそのときとはやや違う。通算成績17勝4敗、まだ優勝なしという、やや失望を誘う今年の序盤のあと、11度優勝を遂げたモンテカルロとバルセロナ双方の準決勝でストレート負けを喫したにも関わらず、世界ランク2位のナダルは楽天的であり続けているのだ。

 彼はモンテカルロでファビオ・フォニーニ(イタリア)に敗れ、第2セットでは、0-5、0-40という劣勢に立たされて、もう少しで0-6と大敗するところだった。

 それから、彼はハードヒッターのドミニク・ティーム(オーストリア)にバルセロナで敗れた。

 それでも、32歳のナダルはふたたび自分のリズムを見つけ出したことに、励ましとなる兆しを見出している。

「僕は、来たる数週間の間に自分の目標を果たすのに必要なよい土台を生み出すため、非常によい進歩を果たしたと本当に信じている」とナダルはティームに敗れたあとに語った。

 ナダルは、5月26日から6月9日までパリで行われるフレンチ・オープンで3連覇、総じて12度目の優勝を目指している。

 2017年マドリッドの決勝でナダルに敗れて準優勝しているティーム、そして昨年の優勝者であるアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)は、ナダルはありとあらゆるクレーコート大会で優勝候補だと言った。

「ラファがプレーしている限り、彼は常に優勝候補ナンバーワンだ」とティームは日曜日にコメントした。

「彼はダントツで、このサーフェスで最強の選手だよ」

 17度グランドスラム大会を制したナダルは、過去15シーズン毎年必ずひとつはクレーコートの大会でタイトルを勝ち獲っていた。彼はマドリッドで8度決勝に至っており、勝ち獲った5タイトルのいうち最新のものは、2017年のそれだ。

 昨年のナダルは、準々決勝でティームにストレート負けを喫していた。それはティームにとって、ナダルに対するクレーコートでの4度の勝利のひとつだったが、続くフレンチ・オープンではナダルにストレートで敗れていた。

 ナダルは今年のマドリッドを、18歳のフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)との対戦で始める。オジェ アリアシムは1回戦で、やはり新進気鋭の若手であるデニス・シャポバロフ(カナダ)を6-2 7-6(7)で下した。今季のツアーのセンセーションのひとりでもあるオジェ アリアシムは、リオデジャネイロ(ATP500/クレーコート)で決勝、マイアミ(ATP1000/ハードコート)で準決勝に至っていた。

 第2シードで出場するナダルがいるドローの反対側の半分には、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)と、2シーズンの不在のあとにクレーコートに戻ってくることになる第4シードのロジャー・フェデラー(スイス)がいる。マドリッドで3度の優勝経験を持つ37歳のフェデラーは、2015年以来のフレンチ・オープンに出場するため、準備しているところだ。

「今回僕は、あまり高い期待を抱いてはいない」とフェデラーは日曜日に明かした。

「僕はまた、(クレーコートでプレーしようという)ついに下した決断をうれしく思っている。間違いなくクレーコートでプレーしたいと感じ始めたのは、昨年の12月あたりだったと思う。それは正しい決断だったよ」

 20度グランドスラム大会を制したフェデラーは、2016年ローマ以来、クレーコートでプレーしていないが、ドバイ(ATP500)とマイアミ(ATP1000)に続く今季3つ目のタイトルを目指している。

 今季2つのタイトルを獲得している今季2つのタイトルを獲得しているそのほかの選手は、ティームとクリスチャン・ガリン(チリ)の2人だ。ティームがインディアンウェルズ(ATP1000)とバルセロナ(ATP500)、ガリンはヒューストン(ATP250)とミュンヘン(ATP250)で優勝している。

 ティームはインディアンウェルズ決勝でフェデラーを倒し、バルセロナ準決勝ではナダルを破っている。

 マドリッドでのフェデラーとティームは、準々決勝でぶつかる可能性がある。

 ディフェンディング・チャンピオンで第3シードのズベレフは、昨年大会での優勝までの過程で一度もサービスゲームを落とさなかった。彼は今大会の初戦で、ダビド・フェレール(スペイン)対ロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)の1回戦の勝者と対戦する。フェレールはこのマドリッドの大会を最後に引退を予定している。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はラファエル・ナダル(スペイン)、4月のバルセロナ準決勝、ドミニク・ティーム(オーストリア)との対戦で撮影
BARCELONA, SPAIN - APRIL 27: Rafael Nadal of Spain returns the ball during his Men's round of semi-final match against Dominic Thiem of Austria on day six of the Barcelona Open Banc Sabadell at Real Club De Tenis Barcelona on April 27, 2019 in Barcelona, Spain. (Photo by Quality Sport Images/Getty Images)

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