フェレール引退「自分のキャリアを誇りに思う」 [ムトゥア・マドリッド・オープン]

スペイン・マドリッドで開催されている「ムトゥア・マドリッド・オープン」(ATP1000/5月5~12日/賞金総額727万9270ユーロ/クレーコート)の男子シングルス2回戦で、第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)が準備不足にも関わらず、18歳のフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)を6-3 6-3で下して3回戦に駒を進めた。

 ナダルはマドリッドでの初戦に先立ち、懸念を抱えていた。彼はウイルス性胃炎のため思うように大会前の練習を行うことができず、水曜日にカハ・マジカのコートに立ったとき、身体がどのような反応をするかわからずにいたのだ。

 具合が悪くなってからわずか数日後の試合となったが、第1セットでのナダルは自分のサービスからはわずか4ポイントしか落とさず、第2セットではオジェ アリアシムのサービスゲームを3度ブレークした。

「ここ数日、ウイルス性胃炎に苦しめられていたので、これは僕にとって非常に重要な試合だった」と世界ランク2位のナダルは試合後に語った。

「よくなってきてはいるが、明らかに身体は少しの間、衰弱したままだ。今日は勝ててすごくうれしいよ。非常に重要なことだ」

 マドリッドで過去に5度優勝しているナダルは、次の3回戦でフランシス・ティアフォー(アメリカ)と対戦する。ティアフォーはこの日、フィリップ・コールシュライバー(ドイツ)に6-4 3-6 6-3で競り勝った。

「彼は非常にいいプレーをしている」とナダルはティアフォーについてコメントした。

「彼は旺盛な意欲とエネルギーの持ち主であり、それゆえ次のラウンドは僕にとっていいテストとなるはずだ。それは僕にとって厳しい試合をプレーし、調子を向上させ続けるためのいい機会ともなる」

 18歳のオジェ アリアシムは、リオデジャネイロ決勝とマイアミ準決勝に進出したあと、世界ランク30位台に浮上し、現在ブレイクのシーズンを送っている。

 彼は第2セットの終盤に、この日手にした唯一のブレークチャンスをものにしたが、ナダルはただちにブレークして試合を終わらせた。グランドスラム大会を17度制したナダルは手にした10回のブレークポイントのうち4回をものにし、そのうち最後のものは最終ゲームにおける6本目のマッチポイントで勝ち取られた。

 この日最後の試合はまた、マドリッドを最後に引退することを決めていたダビド・フェレール(スペイン)にとってツアー最後の試合でもあった。彼のキャリアは、前年度覇者で第3シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)に対する4-6 1-6の敗戦をもって幕を閉じたのである。

 37歳のフェレールは大会前に、フィジカル的にハイレベルで戦い続けるのに十分なだけの、よいコンディションでないと話していた。

 彼は20年のキャリアを、27のシングルス・タイトルをもって終えた。これはロジャー・フェデラー(スイス)、ナダル、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、アンディ・マレー(イギリス)のトップ4に次いで、現役プレーヤーの中で5番目にいい成績だ。フェレールはこれまでプレーした1111試合で733勝を挙げ、これは現役の中で4番目にいい数字でもある。

「僕は(もはや)、自分の望むレベルでプレーし続けることができなかった。でも僕は自分のキャリアを非常に誇りに思うし、とてもうれしく思っている」とフェレールは言った。

試合後のセレモニーで胴上げ
MADRID, SPAIN - MAY 08: David Ferrer of Spain is tossed in the air after his last ever match during day five of the Mutua Madrid Open at La Caja Magica on May 08, 2019 in Madrid, Spain. (Photo by Julian Finney/Getty Images)

フェレール・ファミリー
MADRID, SPAIN - MAY 08: David Ferrer stands with his partner, Marta Tornel and son, Leo Ferrer during day five of the Mutua Madrid Open at La Caja Magica on May 08, 2019 in Madrid, Spain. (Photo by Alex Pantling/Getty Images)

 この試合に先立ち、フアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)は10月に起きた膝の故障以来2つ目となるこの大会で、マッチポイントを浪費した末にラスロ・ジェレ(セルビア)に3-6 6-2 5-7で敗れた。

 第7シードのデル ポトロは11度もブレークチャンスを手にしながら、そのうち2つしかものにできず、最終セット5-4からの第10ゲームで得たマッチポイントをものにすることができなかった。デル ポトロは2月のデルレイビーチ準々決勝で敗れて以来、プレーしていなかった。

 一方、スタン・ワウリンカ(スイス)はギド・ペラ(アルゼンチン)を6-3 6-4で下し、次のラウンドで第6シードの錦織圭(日清食品)と対戦することになった。錦織はこの日の2回戦で、予選を勝ち上がったヒューゴ・デリエン(ボリビア)を7-5 7-5で下した。

 また、第10シードのファビオ・フォニーニ(イタリア)がジョン・ミルマン(オーストラリア)を6-2 6-2で下し、第15シードのガエル・モンフィス(フランス)はマートン・フクソービッチ(ハンガリー)に1-6 6-4 6-2で勝った。エストリルで優勝したばかりで第8シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)はラッキールーザー(予選敗退後、本戦に繰り上がり出場)のアドリアン・マナリノ(フランス)を6-2 7-5で退けた。

 そのほかの試合では、フェルナンド・ベルダスコ(スペイン)が第11シードのカレン・ハチャノフ(ロシア)を6-7(4) 6-1 7-5で、ジェレミー・シャルディ(フランス)がディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)を6-1 6-2で、予選勝者のホベルト・ホルカシュ(ポーランド)はルカ・プイユ(フランス)を7-5 6-1で下して3回戦に勝ち進んだ。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はダビド・フェレール(スペイン)
MADRID, SPAIN - MAY 08: David Ferrer of Spain removes his sweatband following defeat in is last ever match against Alexander Zverev of Germany during day five of the Mutua Madrid Open at La Caja Magica on May 08, 2019 in Madrid, Spain. (Photo by Alex Pantling/Getty Images)

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