クレーコートも我が庭、フェデラーがロラン・ギャロス復帰でいまだセットを落さず [フレンチ・オープン]

今年ふたつ目のグランドスラム「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月26日~6月9日/クレーコート)の男子シングルス3回戦。
 
 4年の不在を経てのロジャー・フェデラー(スイス)のフレンチ・オープン帰還は、今のところこの上なくうまくいっている。

 第3シードのフェデラーは3試合をこなした現時点でまだ1セットも落としておらず、来たる挑戦に向けて37歳の脚にエネルギーを温存することができている。

 この金曜日、フェデラーは20歳のキャスパー・ルード(ノルウェー)を6-3 6-1 7-6(8)で退け、4回戦に駒を進めた。キャスパーの父は、1999年にフェデラーがロラン・ギャロスでデビューを遂げたとき、本戦に出場していた。

 また、ディフェンディング・チャンピオンで第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)も第27シードのダビド・ゴファン(ベルギー)を6-1 6-3 4-6 6-3で下し、フェデラーとともにフレンチ・オープンでの14度目の4回戦進出を決めた。

 あと1回勝てば、フェデラーはこれ以前に最後にフレンチ・オープンに出場した2015年同様、準々決勝に進出することになる。

「数ヵ月前には、何を期待していいのか分からなかった」とフェデラーは明かした。

「僕は今、自分のレベルがどのくらいの位置にあるのかわかっている。自分の絶対的ベストがどの程度なのかはまだはっきりわからないが、すぐそこにあるような感じを覚えている。だから、ここで何年にも渡ってプレーしていなかったあと、この立場に身を置くことができてうれしいよ。最初のゴールは、これくらいまで勝ち進むことだった」

 男女を通してグランドスラム大会で400試合をプレーした最初の選手となったフェデラーは、4大大会での成績を345勝55敗とした。

 エッフェル塔の絵のついたシューズを履いたフェデラーは、最後のタイブレークでパリのファンたちに持てるショットのレパートリーを披露してみせた。ドライブボレーのウィナー、絶好のチャンスをお膳立てした難しいローボレー、トレードマークのフォアハンドのパッシング、セットポイントを凌いだボレーエース、締めくくりは鋭い角度のスマッシュだった。

 世界ランク63位のルードは、父のクリスチャンをコーチをしている。この日もスザンヌ・ランラン・コートのスタンドから見守っていたクリスチャン・ルードは、「彼がいかに驚くべきチャンピオンであるかという証拠だ。20年ハイレベルでプレーし続けるとは。私は人生を通して彼に感銘を受けてきた。そして今でも感銘を受けている」と語った。

「フェデラーも永遠にプレーすることはできないが、変わらず驚くべきレベルでプレーしている」

 フェデラーは4回戦で、世界68位のレオナルド・メイヤー(アルゼンチン)と対戦する。フェデラーが60位以下の選手と対戦するのは、今大会4度目だ。

 木曜日から持ち越された2回戦で、マルティン・クーリザン(スロバキア)が第22シードのルカ・プイユ(フランス)を7-6(4) 2-6 6-3 3-6 9-7で下した。また、第7シードの錦織圭(日清食品)は第31シードのラスロ・ジェレ(セルビア)に6-4 6-7(6) 6-3 4-6 8-6で競り勝ち、16強入りを決めた。

 そのほかの試合では、ブノワ・ペール(フランス)とフアン イグナシオ・ロンデロ(アルゼンチン)がベスト16に進出。第6シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)がフィリップ・クライノビッチ(セルビア)に7-5 6-3 5-5、第24シードのスタン・ワウリンカ(スイス)はグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)に7-6(5) 7-6(4)とした時点でそれぞれ日没順延となった。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はロジャー・フェデラー(スイス)
撮影◎毛受亮介 / RYOSUKE MENJU

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