19歳のボンドルソバが1セットも落とさず準々決勝進出 [フレンチ・オープン]

フランス・パリで開催されている「フレンチ・オープン」(5月26日~6月9日/クレーコート)の女子シングルス4回戦で、19歳のマルケタ・ボンドルソバ(チェコ)が、わずか59分のうちに第12シードのアナスタシア・セバストワ(ラトビア)を6-2 6-0で倒し、初のグランドスラム大会準々決勝へと駒を進めた。

 チェコ出身の才能ある左利きの選手たちの列に並ぶ次世代のスターは、フレンチ・オープンで快進撃を続けている。ボンドルソバはここまでの4試合で、まだ1セットも落としていない。

「ただただ、自分のプレーをうれしく思うわ」とボンドルソバはコメントした。

「本当に幸せよ」

 準決勝進出をかけてボンドルソバは、第31シードのペトラ・マルティッチ(クロアチア)と対戦する。マルティッチは第2シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)に対する勝利を無駄にせず、この日はカイア・カネピ(エストニア)に5-7 6-2 6-4で挽回勝ちして、やはりキャリア初となるグランドスラム大会ベスト8に進出した。

 ドローの下半分に勝ち残っている選手の中でグランドスラム大会優勝経験があるのは、2017年USオープン優勝者のスローン・スティーブンス(アメリカ)だけだ。

 第7シードのスティーブンスは第19シードのガルビネ・ムグルッサ(スペイン)を6-4 6-3で下し、次のラウンドで第26シードのジョハンナ・コンタ(イギリス)と対戦することになった。コンタは第23シードのドナ・ベキッチを(クロアチア)を6-2 6-4で下した。

 昨年のロラン・ギャロス決勝でシモナ・ハレプ(ルーマニア)に敗れて準優勝だったスティーブンスは、ムグルッサにとどめを刺すのに5つのマッチポイントを必要とした。ムグルッサは2016年のフレンチ・オープン優勝を含め、2度グランドスラム大会で優勝している。

 17歳のアマンダ・アニシモワ(アメリカ)、18歳のイガ・シフィオンテク(ポーランド)は月曜日にプレーすることになっており、総じて3人の10代の女子選手がパリでベスト16入りしたことになる。これは2008年以来のことだ。

 ボンドルソバは、やはり左利きの同国選手であるペトラ・クビトバ(チェコ)が2度ウインブルドンで優勝する様子を見ながら育った。

「彼女がウインブルドンで優勝したときのことは憶えている。私は彼女を尊敬していた」とボンドルソバは語った。

 テニス史上最大の偉人のひとりであるマルチナ・ナブラチロワ(アメリカ)は、変わらずチェコでもっとも有名な左利きのチェコ人選手だ。それから今週に引退した、2015年のロラン・ギャロス準優勝者のルーシー・サファロバ(チェコ)もいる。

「これほど多くのすぐれた選手がいるというのは、素晴らしいことだわ」とボンドルソバは言った。彼女が自分のテニスのお手本にしているのは、どの選手だろうか?

「誰もお手本にはしていない」とボンドルソバは答えた。

「私はただ、ペトラがウインブルドンに優勝したときに彼女の試合を観ていた。ロジャー(フェデラー)が大好きなんだけど、アイドルというのはいないの」

「今日は自分のベストテニスができたと思う」とボンドルソバ

 この日ボンドルソバが落としたたった2つのゲームは、彼女が利き腕である左手の切り傷らしきものに治療を受けるためにメディアカル・タイムアウトをとった直後のものだった。その前のゲームで滑って転んだときに痛めてしまったようなのだ。

 しかし彼女は迅速にふたたび主導権を奪い返し、一連のドロップショットでセバストワを苛立たせた。

「今日は自分のベストテニスができたと思う」とボンドルソバは振り返った。

 この結果でボンドルソバは、2回戦で敗退したオーストラリアン・オープン以降の戦績を25勝5敗とした。この好調の期間には、ブダペストとイスタンブールでの決勝進出が含まれる。

 気温が30度近くまで上がったこの日、双方のプレーヤーがエンドチェンジの際にアイスを詰めたタオルを首にかけていた。

 この非常に暑い日、マルティッチはグランドスラム大会の4回戦での5試合で初の勝利を挙げるのために大いに汗をかかなければならなかった。彼女は7年前にロラン・ギャロスで初めてベスト16に至っていたのだ。

「私はこの瞬間を本当に長いこと待っていた。あまりに長くて、どのくらい長いことだったか思い出したくないほどよ」とマルティッチは喜びを表現した。

 双方の選手がムーンボールを打ち合った緊迫した第3セットの終盤、マルティッチはドロップショットに追いつくと、フォアハンドのウィナーをライン上に決めることでこれに応えて5-4とリードを奪った。それから次のゲームで最初のマッチポイントをものにした。

「ときどき、状況はあまりいいようには見えなかった」とマルティッチは苦戦を強いられた4回戦を振り返った。

「でも、私は踏ん張り続け、その頑張りは報われた」

 次に待ち受けるボンドルソバに対する試合でマルティッチは、この左利きの相手が繰り出すドロップショットへの対策を立てなければならないだろう。

「楽しい試合になるでしょうね」とマルティッチは準々決勝を見据えた。

「彼女も、そのテニスにいくつかのちょっとしたトリックを擁しているから」(C)AP(テニスマガジン)

※写真は4回戦に勝利したマルケタ・ボンドルソバ(チェコ/右)と対戦相手のアナスタシア・セバストワ(ラトビア)(撮影◎毛受亮介)

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

Pick up

Ranking of articles