疲労した錦織はナダルに対し空っぽに [フレンチ・オープン]

フランス・パリで開催されている「フレンチ・オープン」(5月26日~6月9日/クレーコート)の大会10日目、男子シングルス準々決勝。

 ラファエル・ナダル(スペイン)に対する準々決勝の前に2試合連続で5セットマッチをプレーしたということは、間違いなく錦織圭(日清食品)にとって理想的な準備ではなかった。

 火曜日にフィリップ・シャトリエ・コートに足を踏み入れる前、すでに疲れきっていた錦織は、11度フレンチ・オープンを制した男によって情け容赦なく叩きのめされた。

「今週、コート上で長い時間プレーし過ぎたのは確か。僕はプレーし過ぎていた」と第7シードの錦織は1-6 1-6 3-6の敗戦のあとにコメントした。

 クレーコートにおける対ナダルのこれに先立つ3試合で、錦織は1セットしか取ることができていなかった。勝算がそれでなくても高くない中、疲労は間違いなく初の準決勝進出を狙う上で錦織の助けとはならなかった。

 第2シードでクレーの王者ナダルに挑む前、錦織は第31シードのラスロ・ジェレ(セルビア)とブノワ・ペール(フランス)に対して5セットマッチの激戦を演じた。ペールに対する試合は2日におよび、つまり彼には回復し試合の準備を整えるための時間がナダルより1日短かかったことになる。

「彼は通常よりも疲れていた。それは疑いないことだ」とナダルは気遣った。

 錦織は1968年に始まったプロ化以降の時代において、ファイナルセットでの勝率がもっとも高い選手だ。ペールに対する試合で、彼は5セットにもつれ込んだ試合では8戦連続となる勝利を挙げた。

 総じて彼は、5セットマッチで23勝6敗の戦績を誇る。これは錦織の“ファイティング・スピリット”について多くを語っているが、彼は今、より迅速に試合を終わらせる術を学びたいと願っていた。

「僕はストレートセットで試合を終えることができるよう、努力し続けなければならないと思う」と錦織は自身の課題について口にした。

「でもそれは、たぶん僕がテニス的に、またメンタル的にも、(ストレート勝ちできるだけ)十分に優秀ではないということ。それが次のステップになると思う。なぜなら僕は、いつもグランドスラム大会の準々決勝で足止めを食らっているから」

 錦織は2014年USオープンで決勝に進出し、2016年と18年には準決勝に進出しているが、ほかの3つのグランドスラム大会では一度もベスト8以上に勝ち進んだことはなかった。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はラファエル・ナダル(スペイン)と対戦後の錦織圭(日清食品)(撮影◎毛受亮介)

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