マレーがロペスとのペアで臨んだ復帰戦のダブルスで勝利 [フィーバーツリー選手権]

ATPツアー公式戦の「フィーバーツリー選手権」(ATP500/イギリス・ロンドン/6月17~23日/賞金総額221万9150ユーロ/グラスコート)のダブルス1回戦で、グランドスラム大会を3度制したアンディ・マレー(イギリス)が5ヵ月の戦線離脱を経て迎えた競技テニスへ復帰を果たした。

 彼はフェリシアーノ・ロペス(スペイン)とペアを組み、第1シードのフアン セバスチャン・カバル/ロベルト・ファラ(ともにコロンビア)を7-6(5) 6-3で倒して自らの復帰戦勝利を謳歌した。

 見慣れた拳を突き上げる仕草、不屈の精神、あたかもマレーは一度も離脱していないかのようだった。

 マレーは143日前に受けた腰の手術――彼はそれがキャリアを救うものとなるよう祈っている――からカムバックを果たそうとする試みにおいて、最初のステップを踏んだ。1月のオーストラリアン・オープンで、彼が連日感じている深刻な腰の痛みゆえウインブルドン後の引退を考えていると告白しながら涙にくれたのは、それよりもさらに前のことだ。

 しかしこの日のマレーはいい動きを見せ、サービスの調子もよく、重要なことにセンターコートの熱しやすい母国の観客たちの前で競り合いつつもストレート勝ちした試合を通して痛みを感じなかった。

「素晴らしかった。大いに楽しんだよ」と元世界ランク1位のマレーは振り返った。

「出だしの僕はやや動きが遅かったけど、試合が進んでいくにつれてよくなった。ふたたびテニスをプレーすることができて、本当に幸運だ」

 彼はまた、「試合前には比較的リラックスしていたが、コートに入っていく段階で少しナーバスになり始めた」と明かした。

「でも、そういう緊張感というのも必要なんだよ」

 勝利は約75分で決まった。マレーとロペスはこれ以前に一度も一緒に組んでプレーしたことがなく、一緒に練習する時間も禄になかったにも関わらず、まるで長年組んでいるベテランペアのようにぴったり息が合っていた。

 また、ロペスが前日にスペインで起きた八百長疑惑とのかかわりを激しく否定しなければならなかったことも、準備に理想的だったとは言い難かった。

 サービスキープで進んだ第1セットの終わり、マレーの強烈なフォアハンドがネットのテープに当たってからカバルを抜き去り、タイブレークに決着をつけた。そして第2セットに連続して決まったウィナーに続き、マレーからのあのガッツポーズが出た。

 カバルとファラはコンビネーションにおいては滑らかだったが、ダブルス・スペシャリストのようにボレーしてくるマレーに対処しきれなかった。

 ロペスが勝利のあと後方に立っていたおかげで、マレーは観客からの拍手喝采を一身に浴びることができた。

 シングルスでは、前年度覇者のマリン・チリッチ(クロアチア)、2018年ウインブルドン準優勝のケビン・アンダーソン(南アフリカ)、元チャンピオンのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)が揃って敗れた。

 チリッチとアンダーソンは2回戦で敗れ、ディミトロフは最初のプレーを4日間待った末に1回戦で敗退することになった。

 ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)が第5シードのチリッチを6-4 6-4で下し、第2シードのアンダーソンはジル・シモン(フランス)に1-6 6-4 4-6で敗れた。

 アンダーソンに続いてコート1に入ったディミトロフは、第8シードのフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)に4-6 4-6でストレート負けを喫した。

 大会が雨に苛まれたため、第1シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)はこの日2試合をこなすことを強いられた。

 この日のチチパスはまずカイル・エドマンド(イギリス)、続いてジェレミー・シャルディ(フランス)と2試合ともに勝って準々決勝行きを決めた。2試合目での彼は、4-6 7-6(0) 7-6(4)と逆転勝ちの大接戦の末にシャルディを倒した。

 率直にずけずけものを言うニック・キリオス(オーストラリア)はオフィシャルたちに罵声を吐き、7-6(4) 6-3 で勝ったラッキールーザーのロベルト・カルバレス バエナ(スペイン)に対する1回戦をオフィシャルたちが人為的に操作したと糾弾した。

 しかしながらその数時間後、キリオスは同じ日にプレーされた2回戦で新進気鋭のオジェ アリアシムに7-6(4) 6-7(3) 5-7で競り負けることになった。

 そのほかの試合では、第4シードのダニール・メドベデフ(ロシア)、第6シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)、予選勝者のニコラ・マウ(フランス)が勝ち上がり、ベスト8が出揃った。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はダブルス1回戦に勝利したアンディ・マレー(イギリス/右)とフェリシアーノ・ロペス(スペイン/左)
LONDON, ENGLAND - JUNE 20: Feliciano Lopez of Spain embraces playing partner Andy Murray of Great Britain after winning their First Round Doubles match against Juan Sebastian Cabal and Robert Farah of Colombia during day Four of the Fever-Tree Championships at Queens Club on June 20, 2019 in London, United Kingdom. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

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