「セレナはセレナよ」----31歳予選勝者「夢の実現」と敗戦とセルフィーと [ウインブルドン]

イギリス・ロンドンで開催されている「ウインブルドン」(7月1~14日/グラスコート)の女子シングルス1回戦。

 かつて選手たちは、特にウインブルドンでセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)と顔を合わせることを恐れていた。

 しかし昨今、選手たちは彼女との対戦を熱望しているようだ。といってもそれは、自分がセレナを倒せると思っているからではなく、彼女がセレナだからなのだ。テニス史上もっとも偉大な選手のひとりとコートを分かち合うこと以上に、よい人生の思い出を生み出す方法があるだろうか。

 だからこそ、ウインブルドン・デビューを遂げた31歳で予選勝者のジュリア・ガット モンティコーネ(イタリア)はドローでセレナとの1回戦を引き当て、その上センターコートで試合が組まれたことを知ったときワクワクしたのだ。

 そしてそれゆえにガット モンティコーネは、17分のうちに0-5と劣勢に立たされ、最終的に2-6 5-7で敗れた試合後、「彼女とプレーできて本当にうれしい」と言ったのである。

「セレナは、セレナよ」

 この1日は、“笑顔と涙と興奮の鳥肌で満ちた「夢の実現」だった”とガット モンティコーネは表現した。彼女と彼女のコーチ、理学療法士、理学療法士の息子は、朝にスタジアム・ツアーに招かれた。

「私たちはクラブのメンバーエリアを通り抜けた。ただただ壮観な場所だったわ。本当に美しいソファ、花々、トロフィーも見たし、コートへの入口も見たわ」と彼女は振り返った。

 第2セットでは5-5と競りもした試合そのものについて、イタリアの記者に勝つチャンスがあると思ったかと聞かれた彼女は「いいえ」と答えた。

「一度もそうは思わなかったわ」

 そしてハイライトともいえる12本のラリーとボレー合戦の末に試合が締めくくられ、握手を交わしたとき、「彼女は、私は素晴らしい選手だと言った」とガット モンティコーネは明かした。

「彼女が本当に私のことをそう思ったかはわからないけれど、彼女はとても親切だった。私はセレナに、あなたは大会の女王だと言ったの。それから彼女にお礼を言ったわ」

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