グランドスラム24勝目を目指すセレナが11度目のウインブルドン決勝でハレプと対決
今年3大会目のグランドスラム「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦7月1~14日/グラスコート)の女子シングルス準決勝で、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)はことを簡単であるかに見せた。もちろん、彼女が本当に気持ちを割いているのは次に何が起こるかだろう。
そのために、彼女は多くの努力を積んできた。それこそが過去にすでに勝ち獲った多くのトロフィや達成したすべての偉業にも関わらず、熱意をもってプレーし続けている理由なのだ。
第11シードのセレナはノーシードから勝ち上がってきたバーボラ・ストリコバ(チェコ)を6-1 6-2で倒し、ウインブルドン決勝に進出した。彼女は今、ウインブルドンで8度目、そしてグランドスラムのシングルスで24回目のタイトル獲得まであと一歩というところにいる。
「肝心なのは、タイトルが24とか23とか25とかいうことではないの。ただコートに出ていって、そこでベストを尽くすということが重要なのよ。何をしようと、私が常に偉大なキャリアを送ってきたことに変わりはないわ」とウイリアムズはコメントした。
37歳の彼女は、プロ化以降の時代でグランドスラム大会決勝に至った最年長の女子プレーヤーだ。
「私は今朝、ある意味でふっきれたの」
来たる土曜日の決勝で、セレナは第7シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)と対戦する。ハレプはこの日最初の準決勝で、第8シードのエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)を6-1 6-3で圧倒した。
これはセレナにとって、ウインブルドンで11回目の決勝となる。唯一のグランドスラム優勝杯を昨年のフレンチ・オープンで獲得したハレプにとって、ウインブルドンでの決勝進出は初めてのこととなる。
「楽しみにしているわ」とセレナは決勝を見据えた。
両者の過去の対戦成績は、1月のオーストラリアン・オープンでの3セットマッチを含めてセレナが9勝1敗でリードしている。
「私は彼女がやってきたこと、やっていることに大いに敬意を払っているわ」とかつてセレナ同様世界ランク1位だったハレプはセレナについて語った。
「でも私は今、彼女に対してでもメンタル的により強くなったと感じている。何が起こるか見てみましょう。ただ、私にとって大きなチャレンジだわ」
セレナがベストの調子であるときには、誰にとっても大きな挑戦だ。それでも37歳のセレナは、以前にもここまできて最後に屈した苦い経験があった。
彼女は娘のオリンピアの出産を経てツアーに戻った最初のシーズンだった2018年にもウインブルドンとUSオープンで決勝に進出し、その双方で敗れていたのだ。
そのため、彼女のグランドスラム大会優勝回数は「23」のままだ。プロ化以降の時代では最多の記録だが、タイトルの一部をアマ時代に獲ったマーガレット・コート(オーストラリア)が保持する全時代を通しての最多記録よりひとつ少ない。
昨年のウインブルドンで、彼女はアンジェリック・ケルバー(ドイツ)に敗れた。USオープンでは主審との言い争いで1ゲームをはく奪されてカオスと化した決勝で、大坂なおみ(日清食品)に圧倒された。
彼女はハーパーズ・バザー マガジンに一人称で書いたエッセイの中で、セラピストと会ったこと、大坂にお詫びの手紙を書いたことを明かしていた。
「私の職業は素晴らしいものであり、私は自分がやっていることが大好きなの」
37歳になっても戦うことに変わらぬ情熱を見せ続ける理由を聞かれ、セレナはこう答えた。
「そして私はいまだ、自分の仕事をかなりうまくやってのけていると思うわ」
確かに、かなりうまくやっている。
故障と体調不全のためにウインブルドン前に12試合しかこなすことができず、ここまではセレナにとってアップダウンの激しい年だった。
6月1日のフレンチ・オープン3回戦での敗戦のあと、彼女は治療を受けるためフランスに留まった。そしてロンドンでウインブルドンに向けて準備を始めた際に、ようやく痛みから解放された。
「間違いなくよりよい感じを覚えているし、試合ごとによくなってきている」とセレナは手応えを口にした。
近代のグランドスラム大会で最年長となる33歳で初めて準決勝の舞台に立ったストリコバは、「もしセレナが決勝でもこんな風にプレーするなら、シモナにとって非常に厳しい戦いになるでしょうね」と太鼓判を押した。
ふたたびこの日の朝の考えに戻ったセレナは、「私はただリラックスし、できることをやるだけよ」と自分に言い聞かせた。
「私は今日、落ち着いていた。日によることなの。皆知っていることだけど、私は完璧には程遠いわ」(C)AP(テニスマガジン)
※写真はセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)
撮影◎小山真司 / SHINJI OYAMA
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