ウインブルドン決勝が近づく中、セレナがハレプに対する敗戦を回顧

今年3大会目のグランドスラム「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦7月1~14日/グラスコート)の女子シングルス決勝。

 もちろん、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)がこれほど長く、これほど多くの成功をおさめ続けた理由は多々ある。サービス、リターン、グラウンドストローク、コートをカバーする能力、そのほかにもっと…。

 彼女の試合へのアプローチの仕方の一面についての洞察は、第7シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)に対するウインブルドン決勝に視線を向けたある質問の答えを通してもたらされた。

 準決勝終了後の記者会見でセレナは、ハレプに対してどうして9勝1敗の戦績を誇ることができているのかと聞かれたのである。

「最大のカギは、私が過去に喫した敗戦ね。あの試合のことは決して忘れないわ。彼女は信じられないようなプレーをした」とセレナは明かした。

「あの経験が、彼女がいかに高いレベルでプレーできるのかを私に教えてくれたの。彼女はふたたびあのレベルに至ることができる。だから私は、その上をいかなければならない」

 それが2014年シーズン末のWTAファイナルズにおける比較的取るに足らないラウンドロビンでの1試合だったということも、同じ大会の決勝で当たったときにはハレプを問題なく倒したことも、セレナにとっては関係ないようだった。そしてセレナが、今年唯一の対戦だった1月のオーストラリアン・オープンでハレプに勝っていることも。

 過去に1度セレナを倒したことがあるから自分には勝つ力があるということを思い出させてくれるというのなら、ハレプがそこに焦点を当てない手はないのではないか?

 加えて、ウインブルドンで11度目の決勝に臨もうとしている第11シードのセレナは、ここ2度のグランドスラム大会決勝で敗れていることを――2018年ウインブルドンではアンジェリック・ケルバー(ドイツ)に、2018年USオープン決勝では大坂なおみ(日清食品)に――自覚してもいる。

 昨年のウインブルドンでのケルバーに対する敗戦について聞かれたセレナは、「よく覚えていないの」と答えた。

「ただ疲れていたこと、アンジー(ケルバー)が素晴らしいプレーをしたことだけは覚えている。私は悲しかったのは間違いないことだけど、同時に自分のことを誇りにも思った。あの試合で私にできることは何もなかった。私はあのときにできたすべてをやった。肉体的に、あのときの私はそこで勝てるレベルになかったよ」とセレナは準決勝でバーボラ・ストリコバ(チェコ)を6-1 6-2で倒したあとに思い返していた。

「あのあとに私たちは肉体的によりフィットした状態に至れるよう、練習に次ぐ練習を積んだことを覚えている。だから私は今、間違いなく違う段階にいるわ」とセレナは続けた。

「確かにウインブルドン前には2週間練習しただけで、しっかり準備はできなかった。そうできていたらよかったんだけど」

 彼女は妊娠、出産、産休を経て昨年ツアーに戻って以来、その手の問題に対処し続けてきた。

 今、娘のオリンピアは2歳近くになり、今週に入ってからオールイングランド・クラブでクールダウンのためにエアロバイクをこぐ間、セレナは娘を腕に抱いていた。

 オーストラリアン・オープン準々決勝で足首を痛めたあと、セレナは大きなリードを奪っていたにもかかわらず敗退した。それから、体調不良と左膝の故障でいくつかの試合を棄権したり、大会を欠場したりすることを余儀なくされた。

 6月1日のフレンチ・オープン3回戦での敗戦のあと、セレナはパリに留まって治療に徹し、それからウインブルドン開始の1週間半ほど前に練習を開始したのだ。

 彼女が今どこにいるかを見てみるといい。

「1ヵ月前にはプレー自体が全然できなかったから、今の私はまた別の段階にいると考えたほうがいいわね」とセレナはコメントした。彼女はアンディ・マレー(イギリス)と組んでミックスダブルスに出場したことが、シングルスでのボレー向上の役に立ったと信じている。

「そんな訳で、ある意味ここにきてすべてがいい効果を生み始めたのよ」

 その感覚は、ハレプにとって問題となりかねないよう響く。ハレプはここまでグランドスラム大会決勝で1勝3敗の戦績を残しており、その1勝は昨年のロラン・ギャロスでもたらされた。

 これはハレプにとって初のウインブルドン決勝であり、対戦相手は理想的ではない。

「彼女を止めたいという以上に、私は何としてでもウインブルドンで優勝したいの」とハレプは決勝を見据えた。

「とにかく私は、自分自身に集中するわ」

(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

※写真はセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)
撮影◎小山真司 / SHINJI OYAMA

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