イズナーが暑さとブブリクに打ち勝ち、15度目のツアー優勝 [名誉の殿堂オープン]

ATPツアー公式戦の「名誉の殿堂オープン」(ATP250/アメリカ・ロードアイランド州ニューポート/7月15~21日/賞金総額65万2245ドル/グラスコート)のシングルス決勝で、第1シードのジョン・イズナー(アメリカ)が第7シードのアレクサンダー・ブブリク(カザフスタン)を7-6(2) 6-3で倒し、優勝を遂げた。

 イズナーはのしのしとネットに向かい、灼熱のグラスコート上で転んだため勝負を決めた自分のフォアハンドがダウン・ザ・ラインに決まったところを見ることができなかった。彼は強烈なサービスとよいパッシング・ショットを使い、対戦相手がマッチポイントで見せた“型破りなサービス”のあと猛暑に打ち勝って、ニューポートでは4度目となるタイトルを獲得した。

「彼がアンダーサーブを打つという予感がしたんだよ。僕には準備ができていた」

 身長208cmのイズナーは、ぱっと笑みを浮かべるとこう言った。

「実のところ、ボールが落ちたところは見ていないんだ。顔が地面の上にあったからね。ただ、かなりうまく打ったという手ごたえはあり、それから観客の歓声が始まったのを聞いた」

 試合を通して何本ものアンダーサーブ、チップショット、スライスを混ぜてきたクリエイティブな対戦相手に対し、34歳のイズナーはATPツアーで総じて15勝目となるタイトルを獲得した。彼は2011年、12年、17年大会でも優勝しており、今大会で4度の優勝を遂げた史上初の選手となった。

「彼は間違いなく興味深い男で、彼独特のプレー法を擁している」とイズナーはブブリクについてコメントした。

「彼はちょっぴり奇特な選手だと言ったけど、それはいい意味でだよ」

 22歳のブブリクにとって、これは初のATPツアー決勝だった。

 試合は気温約30度、体感温度35度という暑さの中、太陽の照りつけるコート上でスタートした。試合時間は総じて1時間15分だった。

「この暑さの中では2セットでもすごく厳しいよ」とイズナーは振り返った。彼はこの大会を、世界ランク15位として始めた。

「今さらながら思うが、3セットにもつれなくて本当によかったよ」

 今週2度目のブレークを許して5-6とリードされたイズナーは次のゲームでブレークバックし、第1セットをタイブレークに持ち込んでいた。

「ブレークを果たしたら、自分はサービスゲームをキープしなきゃいけない」とブブリクはイズナーの強烈なサービスと相対することについて語った。

「キープしなかったら、一巻の終わりだ」

「キープしなかったら、一巻の終わりだ」

 それがカギとなる時間帯だったことをイズナーは知っていた。

「あれは間違いなくターニングポイントだった。すぐにブレークバックし、いくつかのリターンをつなげたことが」と彼は振り返った。

「あれは大きかったよ。あれが僕に勢いを与え、肉体的にも助けとなったんだ」

 ロジャー・フェデラー(スイス)に敗れたマイアミ・オープン決勝の第2セットで左足を故障したイズナーは、4月から6月まで戦線から離脱していた。

 ブブリクはまた、ネット際でオーバーヘッドのスマッシュを打つふりをしてソフトなドロップショットを放って決め、これで第2セットの第7ゲームを締めくくっていた。エンドチェンジで各々の椅子に向かいながら、ブブリクとイズナーのふたりともが笑っていた。

「あれは可笑しかった」とブブリクは言った。

「僕は、“何もしないで、ただオーバーヘッドを打つふりをしてやれ”という感じだった。あれは面白かったよ」(C)AP(テニスマガジン)

※写真はジョン・イズナー(アメリカ)
LONDON, ENGLAND - JULY 02: John Isner of The United States plays a forehand in his Men's Singles first round match against Casper Ruud of Norway during Day two of The Championships - Wimbledon 2019 at All England Lawn Tennis and Croquet Club on July 02, 2019 in London, England. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

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