「心を静めてプレーできた」神山宏正が全小王者へ [第37回全国小学生]

「第37回 第一生命 全国小学生テニス選手権大会」(東京都世田谷区・第一生命相娯園グラウンドテニスコート/7月27~30日/クレーコート)の大会最終日、7月30日(火)は男女シングルス準決勝と決勝が行われ、男子は第4シードの神山宏正(品川区立第二延山小)が第2シードの永田瞬(堺市立八上小)を6-4 6-2で破り、日本一の栄冠を手にした。

 神山は準決勝で、過去全勝の相手で第1シードの畑泰成(草加市立氷川小)を6-3 6-3と下し、決勝は永田と対戦した。圧倒的な守備力を誇る相手に対し、さまざまなショットを織り交ぜて前へ仕掛けていくプレーで応戦。両者の持ち味が存分に発揮された試合となった。

 第1セットはロングラリーの応酬となったが、常にエースを狙い続けたのは神山だった。第9ゲームでブレークを奪い、続くサービスゲームは最後にノータッチエースを決めて第1セットを6-4で先取。冷静さを取り戻した神山が第2セット以降の主導権を握る。「いろんなボールを混ぜて、相手をいなして。頭を使って相手に勝とうと思った」戦術が見事にはまり、2-2から一気に4ゲームを連続で奪って優勝。日本一が決まると、神山は持っていたラケットを放り投げて喜びを爆発させた。

 練習の7~8割を占めているというフォアハンドの精度が冴え、ドロップショットやドライブボレー、ネット際のプレーも随所に光った。何よりも「心を静めてプレーできてよかった。この試合の第一の目標だったので」と神山。ひとつのミスで感情が爆発してしまい、それをきっかけに試合に敗れることもあったが、この夏場にかけて行われた大会ではその課題も克服できつつある。

 また、海外遠征ではすでに結果を残しているものの、国内の大会では思うように力を発揮できず、ビッグタイトルと縁がなかっただけに、神山にとって全小タイトルは大きな意味を持つものとなるだろう。

 全国選抜ジュニアでも準優勝に終わった永田。ラファエル・ナダル(スペイン)に憧れ、彼を彷彿とさせるトップスピンを放つレフティーは、今大会でも悔しい思いを味わった。神山との対戦は今回が初めて。少しやりにくさも感じたが、勝つチャンスも十分にあった。しかし、「相手の弾道の低いサービスに対してリターンのミスが多かった」と反省を口にした。

 しかし、全国選抜ジュニア、全小の決勝を経験したのは永田のみ。次なる舞台、地元・大阪で開催される全日本ジュニアでこの悔しさをぶつけるはずだ。

永田瞬(堺市立八上小)

編集部◎中野恵太 写真◎福地和男

※トップ写真は、37代目の全小チャンピオンに輝いた神山宏正(品川区立第二延山小)

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