称賛された19歳アンドレスク、セレナに対するふるまい

過去、現在のプレーヤーたちが19歳のビアンカ・アンドレスク(カナダ)を称賛している。それは彼女が今年3つ目、母国では初のタイトルを獲ったという理由からだけなく、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)の驚きの棄権に際して見せた思いやりのあるふるまいゆえでもあったのだ。

 日曜日のトロントでの決勝でセレナが涙を流しながら背中のケイレンのためもう試合を続けられないと告げたあと、アンドレスクはロジャーズ・カップ優勝を遂げた。

 決勝でのセレナの決断は、アンドレスクを唖然とさせた。しかし、彼女はすぐに37歳のセレナのもとに行くと慰めの言葉をかけた。

「私はかなり外向的な性格なの。そして私は自分自身、昨年は背中、ここ数ヵ月は肩と、多くの故障を潜り抜けてきたから、彼女がどんな気持ちでいるか正確にわかっていたの。あの瞬間に何を言ったらいいかもわかっていると感じていた」とアンドレスクは月曜日にカナディアン・プレスの電話インタビューに答えた。

 セレナはアンドレスクのことを「古式豊かなよい心を持った人」「素晴らしいスポーツウーマン」と呼んだ。これらの言葉はアンドレスクにとって大きな意味を持っていた。彼女はセレナをアイドルと崇めながら育ってきたのである。

「これまでの人生を通し、私は彼女(セレナ)のプレーを見て育ってきた」とアンドレスクは明かした。

「彼女はチャンピオンであり、コート内外でのインスピレーションの源よ。だから彼女の口から私について、そのような言葉が出たという事実はかなりすごいことなのよ」

 ほかの多くの人々はただちに、セレナの棄権を知った直後のアンドレスクのふるまいを讃える言葉を発し、その中にはカナダのジャスティン・トルドー首相もいた。

 トルドー首相はツイッターを通し、アンドレスクを「全カナダのインスピレーション」と呼んだ。彼はその日曜日、「今日、君はテニスファンにスポーツマンシップとは何たるかを見せた」ともコメントした。

 テニスにおける女性の平等の権利のため戦ったことで知られるテニスの偉人、ビリー ジーン・キング(アメリカ)もまた、ソーシャルメディアを通しての声援に参加し、アンドレスクは「彼女の年齢を超えた成熟レベルを見せた」と称賛した。

「女性はお互いをこのように扱い合うべきなのよ。彼女のセレナへの感情移入とサポートは賞賛に値するものだった。競技者と女性が、女性をサポートする!」とキングはツイートした。

 この勝利でアンドレスクは世界ランク自己最高となる14位に浮上した。彼女は今季38勝5敗の戦績を誇っており、その中にはニューポートビーチ(125Kシリーズ)、インディアンウェルズの優勝が含まれる。

 そして日曜日の勝利は、彼女が棄権なく完了することができた試合だけを対象にすると、17連勝目に当たった。彼女はこの期間に故障のため2度の棄権、あるいは試合途中でのリタイアをしていた。彼女はまた、トップ10選手に対して非常に高い勝率を誇ってもいる。

 アンドレスクはこの熱い勢いを、8月26日から始まるUSオープンへと持ち込むことになるだろう。彼女は今年、肩と鼠径部の故障を抱えたあとだけに、身体に回復の時間を与えるために今週開催されるシンシナティでのウエスタン&サザン・オープン出場を取り消していた。

「多くの故障を潜り抜けたあとだけに、いま私は自分の身体の声に耳を傾けたい」とアンドレスクは欠場の理由を説明した。

「そして私の身体は、“無理をし過ぎるな、休息をとりUSオープンに備えろ”と言っているの」(C)AP(テニスマガジン)

※写真は先週のロジャーズ・カップ表彰式の様子。右が優勝したビアンカ・アンドレスク(カナダ)、左がケガのため試合を途中棄権することになったセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)
TORONTO, ON - AUGUST 11: Bianca Andreescu (CAN) and Serena Williams (USA) hold their championship trophies after the Rogers Cup tennis tournament final on August 11, 2019, at Aviva Centre in Toronto, ON, Canada. (Photo by Julian Avram/Icon Sportswire via Getty Images)

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