第2シードの今村昌倫(慶大3年)が初の全国タイトルを獲得 [2019インカレ]
「平成31年度 全日本学生テニス選手権大会(男子87回/女子63回)」(岐阜県岐阜市・岐阜メモリアルセンター/本戦8月13~21日/ハードコート)の本戦9日目/最終日は男女ともにシングルスとダブルスの決勝が行われ、男子シングルスは第2シードの今村昌倫(慶大3年)が第10シードの山尾玲貴(関大3年)を6-0 6-4で下して優勝を飾った。
試合前の雨で決勝は室内コートに変更され、第1セットを今村が6-0で奪った。準々決勝、準決勝とスタートダッシュに失敗。その反省を生かし、決勝は出だしから飛ばしたが、一気の6ゲーム連取は本人も予想外だったろう。「突き放したいと思っていましたが、うまくいきすぎました」と、ほぼ完璧な内容だった。
第2セットは山尾が先にブレークして2-0とリードを広げる。第1セットは「粘っているだけで、ミスが増えてしまった」と振り返る。「打てるところは打っていこう」と攻撃的な気持ちを思い出し、決勝に相応しいストローク戦が展開された。
だが、今村は0-2から2-2と追い上げに成功し、第5ゲームからはお互いがサービスをキープする一進一退の攻防となった。しかし、4-4からの第9ゲームで今村がブレークに成功して5-4とすると、第10ゲームをキープして決着をつけた。今村が両手を突き上げ、優勝の喜びをかみしめた。
「やっと優勝できました。超うれしいです」と今村が喜びを口にする。ジュニア時代から個人団体、単複を含めて全国大会の優勝は一度もない。「やっとです。だから本当にうれしい」と、何度も何度も「うれしい」という言葉を口にした。
サービスゲームの向上と気持ちの強さを勝因に挙げた。サービスは「ファーストもセカンドも球威、コースがよくなった」と言う。以前はセカンドサービスを叩かれることが多かったが、「サービスが向上し、サービスキープができるようになった」ことで落ち着いて戦えるようになった。「最後までよく耐えたと思います」と自画自賛のVだった。
準優勝に終わった山尾は「チャンスはありましたから」と悔しさいっぱい。第2セットからは互角の展開を見せたが、あと一歩、及ばなかった。ロングラリーは山尾のペースに思えたが、そこで先にミスが出て、「リズムに乗れなかった」と肩を落とした。
「せめて最終セットには持ち込みたかった」と山尾。それでも目標だったベスト8をクリアし、堂々の決勝進出を果たした。山尾も今村同様に全国のタイトルはない。「だから僕も勝ちたかったんですけど…来年のインカレで頑張ります」と汗を拭った。
早大対決となったダブルス決勝は、第1シードの田中優之介/木元風哉(3年/3年)が第4シードの古賀大貴/安上昴志(4年/4年)を6-2 6-2で下して優勝した。
2人は昨年末のインカレ室内に次ぐ優勝。そして田中は昨年のインカレに次ぐ2連覇でもある。「試合を重ねるごとにペアとして強くなっていたのがうれしい」と田中。木元も「決勝が一番いいプレーができた」と優勝を喜んだ。
(編集部◎牧野 正 写真◎BBM)
※トップ写真は、決勝を戦い終えた直後の今村昌倫(慶大3年)と山尾玲貴(関大3年)
Pick up
-
2024-04-22
予約開始『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)5月3日発売!テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2023-10-30
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「あなたは必ずゲームがうまくなる! [ドリル編]」(堀内昌一著)
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)2月5日発売
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2023-06-13
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ テニス』(宮尾英俊著)好評発売中!
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ』のバレーボール、バ
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
-
2023-04-03
『テニスの心理学~“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!』(佐藤雅幸著)
Tennis Magazine extraシリーズの最新刊『
Pick up
-
2024-04-22
予約開始『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)5月3日発売!テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2023-10-30
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「あなたは必ずゲームがうまくなる! [ドリル編]」(堀内昌一著)
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)2月5日発売
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2023-06-13
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ テニス』(宮尾英俊著)好評発売中!
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ』のバレーボール、バ
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
-
2023-04-03
『テニスの心理学~“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!』(佐藤雅幸著)
Tennis Magazine extraシリーズの最新刊『
Ranking of articles
-
2024-04-14
18歳の石井さやかがITFツアー初優勝、プロ転向後の初タイトルを獲得 [W35富士薬品セイムス ウィメンズカップ]
-
2024-04-13
2024年最初の国内ジュニア全国大会は鈴木琉斗(神奈川/慶應義塾高校)と上村睦実(愛知/名古屋LTC)が優勝 [MUFGジュニア2024]
-
2024-04-15
トップシードを守った内田海智が2021年10月以来のITFツアー9勝目 [M15キロタ]
-
2024-04-14
片山翔が男子シングルス2連覇、中川舜祐/楠原悠介はダブルス優勝 [第60回東京オープン]
-
2024-04-13
青山修子/柴原瑛菜が代表戦9試合目で初黒星、日本は3勝1敗でカザフスタンに勝利 [ビリージーンキングカップ日本対カザフスタン]