セレナ対大坂、一年後に感じられる“残響” [USオープンPreview]

「USオープン」(8月26日〜9月8日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート)の開幕が迫る中、昨年の大会の消えないイメージは特別に素晴らしいショットやチャンピオンが優勝杯を掲げる姿にかかわるものではない。

 その代わりに永遠に記憶される可能性があるのは、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が主審のカルロス・ラモス氏に人差し指を突きつけ、自分に謝るべきだと言い張っている光景だ。それは女子決勝の最中に、ラモス審判がセレナにコーチングの警告を与えたことから始まったいざこざだった。

 そのとき(そして今もだが)グランドスラムのシングルスで24勝目となるタイトルを目指していたセレナと、6-2 6-4の勝利への過程で素晴らしいプレーを見せたが、その日のアーサー・アッシュスタジアムで起きたカオスのため、その点をほとんど無視される羽目になった大坂なおみ(日清食品)の間の試合の音調は、ラモス氏が観客席からコーチングを受けたとしてセレナに警告を与えた瞬間から変わり、そこからどんどん悪い方向へと発展していった。

 セレナは最終的にペナルティとして1ポイントを、それから1ゲームをはく奪され、試合後には1万7000ドルの罰金を科された。

 それから12ヵ月が経ち、月曜日にフラッシングメドウで1回戦が始まろうとしている今、その1時間19分の戦いから派生的に生まれた産物はいまだ残響している。

 その中にはこんなものもある――ラモス氏が、セレナまたは姉ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)がかかわる試合で主審を務めることはないということだ。

「ほかに900もの試合がありますから、2019年に関してカルロスはウイリアムズ姉妹の試合であえて主審を務めないということを私たちは決めました」とUSTA(全米テニス協会)の責任者であるステイシー・アラスターは電話インタビューで答えた。

「私たちは競技の注目が(そういったいざこざでなく)アスリートに注がれることを望んでいるのです」

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