アメリカ・ニューヨークで行われている「USオープン」(8月26日~9月8日/ハードコート)の女子シングルス1回戦。第1シードの大坂なおみ(日清食品)は右手を銃の形にすると、2本の指をこめかみに当てた。それは彼女が第2セットを落とした直後のことだ。USオープンのタイトル防衛を危うい歩調で始めたその火曜日、彼女がマッチポイントをふいにしてしまった数秒後のことだった。

 彼女のボディランゲージはこの日起きたことを物語っていた。彼女は目をぐるりと回して見せたり、ベースラインで膝をついたり、エンドチェンジの際に丸めた拳で顔を覆ったり、ラケットを頭のてっぺんに乗せたり。

 昨年の混乱した決勝でセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)を倒した場所であるアーサー・アッシュ・スタジアムに戻ってきた大坂は、自分で穴を掘り続け、そこから這い上がり続けた末に世界ランク84位のアンナ・ブリンコワ(ロシア)に対する1回戦から最終的に6-4 6-7(5) 6-2で抜け出した。

「人生でこれほどナーバスになったことはなかったと思う」と大坂は試合後のインタビューで観客たちに言った。

「私は本当にのろのろとスタートし、本当の意味で自分のリズムを見つけることができなかった」

 21歳の大坂は、ごく最近問題を抱えた左膝の上に黒いサポーターをつけていた。しかし、この日の大坂にとって問題を高じていたのは、彼女の動きよりも不安定なストロークのほうだった。

 彼女は最終的に50本のアンフォーストエラーをおかしたが、これは22本にとどめたブリンコワの2倍以上に当たる。

 1968年に始まったプロ化以降の時代で、優勝の翌年に1回戦で敗れたUSオープン女子チャンピオンは、2人しかいない。それは2005年のスベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)と、2017年のアンジェリック・ケルバー(ドイツ)に起きている。ケルバーを倒したのは大坂だった。当時の大坂は45位で、まだグランドスラム大会の3回戦を超えたこともなかった。

 大坂は火曜日に、その試合を回顧している。

「(ケルバー)がどれほどストレスを感じているかが何となくわかって、それが私に有利に働いたの」と大坂は振り返った。

「私はほかの人々に、そんな様子を見せたくない」


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