セレナが右足首をひねりながらも4回戦に勝利 [USオープン]

アメリカ・ニューヨークで開催されている「USオープン」(8月26日~9月8日/ハードコート)の女子シングルス4回戦。勝利に終わったその試合の第2セットで右足首をひねったあと、第8シードのセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)は痛みを抱えていた。コーチはそれを“受け入れられる程度の痛み”と呼んだが、しかしそれは“よくないニュース”だ。

 この日、足首の問題にもかかわらず、第22シードのペトラ・マルティッチ(クロアチア)を6-3 6-4で下したセレナにとって、7度目のUSオープン優勝と24度目のグランドスラム・タイトルを狙う上での“よいニュース”は、彼女がいるドローのボトムハーフ(下半分)にいた第2シードのアシュリー・バーティ(オーストラリア)と第3シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)がともに敗れたことだった。

 もっともセレナは、自分が月曜日にまだ勝ち残っているトップ12シードの3人のうちのひとりになったことに、関心を持っているようには見えなかった。

「そんなふうに事を見る余裕はないわ。私がプレーするすべての試合で人々は自分のベストテニスをしてくる。私が対戦した女性たちは一般的にいって、ほかの選手に対してこのレベルでプレーしていないのに。だから私は第2シードに対してだろうと第1シードに対してだろうと世界80位に対してだろうと、最大の力を発揮しなければならないのよ」とセレナはコメントした。

 セレナは準々決勝で、第18シードのワン・チャン(中国)と対戦する。

「私は上回るところを見せなければならない。さもなければ家に帰ることになるわ」

 今月38歳になるセレナ。彼女はボレーを打つためにネットに出たとき、妙な具合でステップを踏んだ。それまで彼女ははっきりとした勝利に向け、突き進んでいるように見えていた。彼女はよろめいて転び、アーサー・アッシュ・スタジアムのコートの真ん中で少しの間、座り込んでいた。

 セレナは今季を通してさまざまな健康の問題を抱え、そのうちひとつはオーストラリアン・オープンで彼女の滞在を終わらせた。

 そのようなことがふたたび起こるのだろうか? セレナは直ちにトレーナーを呼び、そのメディカルタイムアウトの間にトレーナーは彼女の右足首にテーピングを施した。それでもマルティッチは、セレナは実際、試合の残りでプレーを向上させたと考えていた。

「彼女は決め球を狙い、より思いきりよく打つようになり始めた。もしかしたら彼女は、もうあまりいい動きをすることができないと思ったのかもしれない」とマルティッチは振り返った。

「彼女のショットは本当に正確だった。サービスは信じられないほどだったわ。そして彼女があのバックハンドとファーストサーブをあれほどよく打っているとき、彼女に対してプレーするのは容易なことじゃないの」

 セレナは最速となる約時速190kmのサービスエースを叩き込み、試合を終わらせると両腕を上げて祝った。

「彼女のボールから何を期待すべきかわからなかった」とマルティッチは言った。

「自分のラケットで触れるまで、何を期待すべきなのかわからないのよ」

セレナはネット付近で転倒し、右足首を捻挫

 日曜日の転倒シーンは、セレナのプリスコバに対するオーストラリアン・オープン準々決勝の思い出を蘇らせた。その試合で足首をひねったとき、セレナは第3セット5-1、40-30とマッチポイントさえ握り、大幅にリードしていた。ところがそこから彼女は試合の残りでサービスからのほとんどのポイントを落とし、もはや本来の彼女ではなくなってしまったのである。

 もっとも今回の彼女は試合後、目に見えてわかるような問題はなく、普通に歩いていた。

 2019年にウイルス性疾患から左膝の故障まで、多くの健康の問題から棄権を強いられたセレナは、グランドスラム大会ではない大会でまともに戦うことができていなかった。彼女は出産後の復帰以降、まだ一度もタイトルを獲っていない。きっちり2年前の日曜日に、彼女の娘オリンピアは生まれた。

「あれは私の人生最良の日だったわ」とセレナは回顧する。

 この日曜日までグランドスラム大会の4回戦に一度も進出したことがなかったワンは、フレンチ・オープン優勝者で世界ランク2位のバーティを6-2 6-4で驚かせ、初のベスト8入りを果たした。

 2016年USオープン準優勝のプリスコバは第16シードのジョハナ・コンタ(イギリス)に対して2時間半をかけて戦った末に7-6(1) 3-6 5-7で敗れ、大会から去ることになった。

 USオープンは、コンタがまだ準決勝に進出したことのない唯一のグランドスラム大会だ。彼女は今、その一席を目指して第5シードのエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)と対戦する。スビトリーナこの日、2017年大会準優勝者で第10シードのマディソン・キーズ(アメリカ)を7-5 6-4で退けた。

(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

※写真は試合中に右足首を捻挫するアクシデントにみまわれたセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)
2019 US Open Tennis Tournament- Day Seven. Serena Williams of the United States rolls her ankle and falls over during her match against Petra Martic of Croatia in the Women's Singles round four match on Arthur Ashe Stadium during the 2019 US Open Tennis Tournament at the USTA Billie Jean King National Tennis Center on September 1st, 2019 in Flushing, Queens, New York City. (Photo by Tim Clayton/Corbis via Getty Images)

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