左肩故障のジョコビッチ「もはやショットが打てないと感じた」 [USオープン]
アメリカ・ニューヨークで開催されている「USオープン」(8月26日~9月8日/ハードコート)の男子シングルス4回戦。ノバク・ジョコビッチ(セルビア)の左肩は痛み、彼のチャンスはスタン・ワウリンカ(スイス)に対して次第に薄れていった。
それでも見ごたえある戦いの末に2セットを落としたあと、USオープンの前年度覇者で第1シードの男はブーイングのコーラスをあとにし、大会から去った。
その日曜日の夜、4-6 5-7 1-2でリードされ、圧倒され続けていたときに、ジョコビッチは主審のほうに向かって歩いていきながら頭を振り、それから肩の故障ためリタイアすると告げた。
「もう何週間もずっと痛みがあった」とジョコビッチは明かした。
おそらく突然の状況の変化に混乱したか、値の張るチケットを買って見なければならないショーの短さに失望したか、観客の一部はラケットバックを肩にロッカールームに向けてアーサー・アッシュ・スタジアムのコートから歩き去るジョコビッチに野次を飛ばした。彼は親指を挙げてそれに答えた。
「観客には申し訳なく思う。彼らは試合を最初から最後まで観に来たのに、そうならなかった」とジョコビッチは記者会見でコメントした。
「多くの人々は、何が起きているのかわかっていなかった。だから彼らを責めるこちはできないよ」
32歳のジョコビッチは、「痛みを消すためにさまざまなものを服用していたが、ときには効き、ときには効かない」と説明した。
ジョコビッチはグランドスラム大会でのここ37試合のうち36試合で勝ち、ここ5つのグランドスラム大会4つを獲っていた。ウインブルドンの優勝でグランドスラム大会獲得タイトル数を「16」に伸ばした彼は、18度優勝のラファエル・ナダル(スペイン)に追いつくのにあと2つ、20度優勝の最多記録保持者のロジャー・フェデラー(スイス)にはあと4つと迫った。
「僕がグランドスラム大会の獲得タイトル数最多のロジャーの記録にたどりつきたいと願っていることは、秘密でも何でもない。でも同時に、僕の前には進んでいくためのまだまだ長い道のりがあるように思う。まだまだあと何年もプレーできたらいいと願うよ。僕はそうする予定にしている。いま、終わりが近くまで迫っているとはまったく思えない」とジョコビッチは語った。
「自分の体と心をしっかり管理し、いい状態に保って、テニス界でもっとも大きな重要なこれらの大会にピークをもっていけるよう努めることが重要だ」
戦いが終わったとき、ワウリンカはジョコビッチを抱擁した。
「これは決して、選手が願う試合の終え方ではない」と第23シードのワウリンカは対戦相手を気遣った。彼は準々決勝で、第5シードのダニール・メドベデフ(ロシア)と対戦する。
「ノバクを気の毒に思うよ」
ジョコビッチは、ワウリンカに対して19勝5敗の戦績をもってこの試合に臨んだ。しかしながらこの中には、ワウリンカが勝った2016年USオープン決勝が含まれる。ATPによれば、これはジョコビッチにとって13回目の途中棄権で、そのうちグランドスラム大会で起きたのは6回だった。
この結果のため、ジョコビッチ対フェデラーの準決勝の可能性は消えた。ワウリンカ対メドベデフの勝者は、準決勝でフェデラー対グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)の勝者と対戦する。
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