ディミトロフの驚きの進撃は準決勝でストップ「過剰に失望したくはない」 [USオープン]
今年最後のグランドスラム「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月26日~9月8日/ハードコート)の男子シングルス準決勝。
グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)はこの日、第3セットでふたつのマッチポイントを凌いだ。1991年以降のUSオープンでもっともランキングの低い準決勝進出者が何とか1セットを取るのではないかという、そしてのあと驚くべき挽回をやってのけるのではないかと思わせるつかの間の兆しだった。
ロジャー・フェデラー(スイス)をフラッシングメドウから追い出した男にとっては、どんなことも可能であるかに見えていたのだ。
「第3セットでは、非常にポジティブな考えを持っていた」とディミトロフはのちに語った。
「僕にはまだチャンスがあった」
しかし、第5シードのダニール・メドベデフ(ロシア)はその金曜日の準決勝で追い詰めらてもカムバックし続け、ディミトロフを7-6(5) 6-4 6-3で倒した。ディミトロフのタフなテニスの波は、グランドスラム決勝への一席とともに萎れてしまった。
しかし、かつて世界ランク3位に登ったこともある28歳のディミトロフは、もしメドベデフを倒していたらどうなり得たかについて考えることを拒否した。フェデラーに対する5セットの死闘の末の勝利によって強調された彼のニューヨークでの進撃は、ベストの調子のときの彼がいかに優秀であるのかをはっきりと思い出させるものだったのだ。
「過剰に自分に失望したくはない」と彼はコメントした。
「素晴らしい2週間だった。ここで初めて準決勝に至った。間違いなく、ここから多くのポジティブなことを持って帰るようにするよ」
現在78位のディミトロフは、USオープンに先立つ8試合のうち7つで敗れており、その中には7月のアトランタ・オープンでの世界405位のケビン・キング(アメリカ)に対するストレート負けもあった。彼は前哨戦のロジャーズ・カップとウエスタン&サザンオープンで、ともに1回戦負けを喫していた。
間違いなく、そのことはニューヨークで起こる出来事を予示してはいなかった。彼はこのUSオープンで、当時150位以下に落ちていたジミー・コナーズ(アメリカ)がベスト4に至った1991年以来、もっともランキングの低い準決勝進出者になったのだから。
もしかしたら、ディミトロフには何か予感があったのかしれない。彼はUSオープンのスタート時、インスタグラムに「ニューヨークに戻ってこれて本当にいい気分だ!」というコメント付きの写真を投稿していた。
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