今年最後のグランドスラム「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月26日~9月8日/ハードコート)の女子シングルス決勝。
 
 ビアンカ・アンドレスク(カナダ)はこの日、それが起こり得るということを知っていた。なぜなら彼女は、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)のすべてを知っていた。彼女を敬い、彼女とプレーすることを夢見ていたからだ。

 当然ながらアンドレスクは、セレナが静かに去らないだろうことも知っていた。彼女がすんなりと引き下がるはずがないということを。

 そして、USオープン決勝での大きなリードがじりじりと少なくなっていき、アーサー・アッシュ・スタジアムを満たす何千という観客が起こす騒音を消すため指で耳をふさいだとき、アンドレスクにはただ勇敢であり続けた。そして彼女は試合の序盤でやったように、そしてセレナが何年にも渡ってやってきたように、力強く打つ必要があるだけなのだと分かっていた。

 セレナが発明したとさえ思えるような強烈なサービスと気迫溢れるグラウンドストローク、「カモン!」の叫びで満ちた大胆不敵な同種のテニスを見せながら、19歳のアンドレスクは優位性を取り戻した。そして彼女は6-3 7-5でセレナを倒し、グランドスラム初タイトルを手に入れた。

 それも彼女は、セレナが史上最多記録に並ぶ24回目のグランドスラム制覇を阻んだ上でそれをやってのけたのである。

「彼女を敬って育ったのは、私だけじゃない。彼女はアスリートだけに限らず、本当に多くの人々のインスピレーションなのよ。彼女がコート外でやったことについてもね。彼女は真のチャンピオンよ。そして何より、優しい心を持った人なの。彼女はロッカールームで私のところに来て、すごく素敵な言葉をかけてくれた。私はそれを本当に長い年月、大事に心に留めておくでしょうね」とアンドレスクは37歳のセレナについて語った。

「私は彼女のようになるため、本当に多くの努力を積んで頑張ってきた」とアンドレスクは明かした。

「もしかしたら、私はもっとよくなれるかもしれない。それは誰にもわからないわ」

 それはかなり難しいゴールではある。しかしそれでも、これは間違いなくスタートを切るのによい場所ではあるだろう。

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