今井慎太郎と野口莉央がベスト8進出 [第94回三菱全日本テニス選手権]

日本テニス協会(JTA)が主催する「三菱全日本テニス選手権 94th」(賞金総額2874万円/本戦10月26日~11月3日/東京都江東区・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート/ハードコート)の本戦6日目は、男子シングルス3回戦と女子シングルス準々決勝および男女ダブルス準々決勝と混合ダブルス準決勝が行われた。

 男子シングルスのベスト8は昨日までに6人が決定。この日は、残り2枠をかけての戦いとなった。まずは第2シードの今井慎太郎(イカイ)が第13シードの羽澤慎治(慶大2年)に6-2 4-6 6-2で勝利し、8強入りを決めた。

 第1セットは簡単に奪った今井だが、第2セットはサービスキープが続き、4-5からの第10ゲームで、この試合初めてのブレークを許してセットオールとなった。

 今井には嫌な流れとなったが、「気持ちで引かず、前向きにいこう」と気持ちを切り替えた。1-2で迎えた第4ゲームからはわずか3ポイントしか与えない怒濤の攻めで、試合を終わらせた。サービス、フォアと得意のパワープレーで羽澤をねじ伏せた。

「(羽澤を)学生としてではなく、海外にも挑戦しているひとりの好選手として見て戦った」と今井。油断することなく、受け身に回らず、大きな声を出し続けた。9度目の出場にして、「実は意識していた」という3回戦の壁を破り、初のベスト8入りとなった。

 最後にベスト8に飛び込んだのは、第6シードの野口莉央(明治安田生命)だった。第9シードの越智真(江崎グリコ)とのタフマッチをフルセット、3時間1分の末に5-7 7-6(6) 6-0でものにした。

3年ぶり2回目の全日本で4強に進んだ野口

 ロングラリーが多い。ともに粘り強いストロークが持ち味だから予想はできたが、それにしても1ポイントが長かった。第1セットの第12ゲームは10度のデュースの末、越智がついに奪って7-5で先取した。

 第2セットも一進一退の攻防からタイブレークへと突入し、越智がポイント6-4でダブルマッチポイントをつかむ。しかし、野口はここから怯むことなく4ポイント連取で逆転に成功。勝負の行方を最終セットへと持ち込んだ。

 最終セットは最初の2ゲームこそ互角の展開だったが、どちらのゲームもとりきれなかった越智の落胆は大きく、そこからは野口の一方的な展開となった。越智の足はもう限界だった。メディカルタイムをとっても挽回することは不可能だった。

「最後まであきらめなくてよかった」と野口が言う。「第2セットからは少し前に入って打っていた」と言うが、最終セットは「僕も(足に)きていた」と苦笑した。明日の準々決勝は練習仲間であり、高校(神奈川・湘南工大附高)の先輩でもある今井との対戦となる。

※トップ写真は、今井慎太郎(右/イカイ)と羽澤慎治(慶大2年)

取材◎牧野 正 写真◎菅原 淳

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