スビトリーナが2年連続全勝優勝に王手、決勝は世界1位バーティ [WTAファイナルズ]

トップ8によるエリート大会「資生堂WTAファイナルズ深圳」(WTAファイナルズ/10月27~11月3日/中国・深圳/賞金総額1400万ドル/室内ハードコート)の大会7日目は女子シングルス準決勝が行われ、第1シードのアシュリー・バーティ(オーストラリア)と第8シードのエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)が決勝に勝ち進んだ。バーティは過去5回の対戦で、一度もスビトリーナを倒したことがない。

 準決勝でのバーティはスビトリーナと同じく最初のセットを落としたが、そこから巻き返して第2シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)を4-6 6-2 6-3で倒した。

「試合を通し、信じられないほど高いレベルだったと感じたわ」とバーティは振り返った。「またここでプレーするチャンスを手にすることが出来て、ただただうれしいわ。決勝はとにかく楽しみたいと思う。私には失うものなど何もない。本当に厳しい相手に対して立ち向かっていくだけよ」

資生堂WTAファイナルズ深圳2019|PHOTOアルバム

 最後に出場権を獲得してラウンドロビンを勝ち上がった第7シードのベリンダ・ベンチッチ(スイス)は、スビトリーナが5-7 6-3 4-1としたところでリタイアした。この結果でスビトリーナは、WTAファイナルズで2年連続の決勝進出を果たしたことになる。

「自分が決勝に勝ち残ったことに気がついていないという感じなの」とスビトリーナは心境について語ったが、また「ケガをしている相手とプレーするのは難しいわ」とも言い添えた。

 フレンチ・オープンでグランドスラム初タイトルを獲得し、初めて世界ランク1位に至ったバーティにとって、2019年は傑出したシーズンとなっている。彼女は世界ナンバーワンになった史上初のオーストラリア人女性なのだ。

「私と私のチームにとって、信じられないようなシーズンになっているわ」とバーティは話し、日曜日の決勝のことを、「(そのシーズンの)完璧な締めくくり」と呼んだ。彼女は来たる決勝で、ついにスビトリーナを倒すためのチャンスを楽しみに待っている。

「私は、何か違ったことを試す機会を手に入れた」とバーティはコメントした。「以前の対戦では、私がやったことはあまりうまく機能しなかった。あるいは、効果が出るまで実行し続けることができなかったかもしれない」

 プリスコバとの試合で、バーティは11本のサービスエースを記録した。世界2位のプリスコバが準決勝に進出したのは3年連続だったが、決勝でプレーしたことはまだない。

3年連続準決勝で敗れたカロリーナ・プリスコバ(チェコ)
SHENZHEN, CHINA - NOVEMBER 02: Karolina Pliskova of the Czech Republic gives a thumbs up to the crowd as she walks off the court after her Women's Singles semifinal match loss to Ashleigh Barty of Australia on Day Seven of the 2019 Shiseido WTA Finals at Shenzhen Bay Sports Center on November 02, 2019 in Shenzhen, China. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

ケイレンに苦しんだベンチッチ「試合を最後までやりたかったけど、それは不可能だった」

 第1セットを先取したベンチッチは、そのときからすでに苦しんでいた。それはハムストリングの問題で、ケイレンを起こしていたのだと彼女はのちに明かした。

 今大会でのスビトリーナは、1セットも落とさずにグループ・ラウンドをクリアした。昨年のWTAファイナルズ優勝は、彼女のキャリアで最大のタイトルであり続けている。

 第1セットで6-5とリードしたあと、ベンチッチはメディカル・タイムアウトを取って治療を受けた。コートに戻ったベンチッチは3つ目のセットポイントをバックハンドのダウン・ザ・ラインで決め、そのセットを取った。

 しかし試合が進むにつれて脚の故障はますます問題を高じ、スビトリーナに試合の舵を握ることを許すことになった。ベンチッチは第2セット1-2、3-4のコートチェンジの際にも治療を受けながら、2度ブレークされてそのセットを落とした。第3セットでスビトリーナはいきなり3-0とリードし、4-1となったところでベンチッチはもはや続けられなくなってしまった。

資生堂WTAファイナルズ深圳2019|PHOTOアルバム

 スビトリーナはこのサーフェスを楽しんでいるように見えたが、ベンチッチはコートの遅さが動きを妨げると指摘した。

「本当に途中棄権はしたくなかった」とベンチッチは悔しさをにじませた。「試合を最後までやりたかったの。でもそれは不可能だった。自分の身体に裏切られたことを、本当に残念に思うわ。それに、コートも理想的ではなかった」

ケイレンに苦しんだベリンダ・ベンチッチ(スイス)
SHENZHEN, CHINA - NOVEMBER 02: Belinda Bencic of Switzerland reacts during her Women's Singles semifinal match against Elina Svitolina of Ukraine on Day Seven of the 2019 Shiseido WTA Finals at Shenzhen Bay Sports Center on November 02, 2019 in Shenzhen, China. (Photo by Matthew Stockman/Getty Images)

 オーストラリアン・オープン優勝者の大坂なおみ(日清食品)は右肩の故障のため、2試合目の前に棄権した。またUSオープン女王のビアンカ・アンドレスク(カナダ)も2試合目で痛めた左膝の故障のため、ラウンドロビンの3試合目を棄権していた。

(APライター◎サンドラ・ハーウィット/構成◎テニスマガジン)

※トップ写真はエリナ・スビトリーナ(ウクライナ/左)とベリンダ・ベンチッチ(スイス/右)
SHENZHEN, CHINA - NOVEMBER 02: Belinda Bencic (R) of Switzerland is consoled by Elina Svitolina of Ukraine after her retirement from their Women's Singles semifinal match on Day Seven of the 2019 Shiseido WTA Finals at Shenzhen Bay Sports Center on November 02, 2019 in Shenzhen, China. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

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