男子トップ8によるエリート大会「Nitto ATPファイナルズ」(イギリス・ロンドン/11月10~17日/賞金総額900万ドル/室内ハードコート)の2日目、第6シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)はこれまで一度も勝ったことのなかった相手だった第4シードのダニール・メドベデフ(ロシア)を7-6(5) 6-4で倒した。

 チチパスにとって、ついにメドベデフに対し初勝利をおさめたというのは大きな意味を持つことだった。

 それは単にこの日に先立ちチチパスがメドベデフに5戦全敗していたからという理由からだけではなく、それが起きたのがATPファイナルズという重要大会においてだったからということでもない。

 それは主にふたりのテニス界最大のライジングスターが、お互いをあまり好ましく思っていないことからだったのだ。

「これは僕が長いこと切望していた勝利だった。それがこの瞬間に起きたというのは、素晴らしいことだ」とチチパスはコメントした。「僕らの相性は間違いなく、ツアーで見つけられる中で最良のものとはいいがたい。僕が彼を嫌っているということではなく、ただいっしょに夕食をとったりはしないってことさ」。

 その源は彼らの初対戦だった、昨年のマイアミにまで遡る。その試合でメドベデフは、コードボールについて謝るジェスチャーをしなかったチチパスを咎めた。それが口論に発展して、最後は双方がコート上で罵詈を交わし合うことになった。

「あのあと僕は1ゲームも取れなかったと思う。彼は僕の頭の中に入ってきて、そんなふうになってしまったことに僕は大きなフラストレーションを禁じ得なかったんだ」とチチパスは明かした。

「彼は僕が謝るべきだと言い始め、僕がやっていることはスポーツマンらしからぬ行為だと言った。そのことに僕はなぜか影響を受けてしまったんだ。僕は腹を立て、あのときは言いたいことを言い、あとでそのことを後悔したが、あのときにはすごくフラストレーションを感じていた」

 その試合以来、メドベデフはチチパスに対してさらに4対戦に連続で勝ち、その中には10月の上海マスターズ準決勝も含まれる。

 しかし月曜日の試合でチチパスは第2セットにその試合唯一のブレークを果たして5-4とリードし、ネットでポイントを決めて勝利をもぎとった。

「今日の彼はよりよいプレーをした。でも僕は自分に何かが欠けていたとも感じていた」とメドベデフは振り返った。「そのことには試合後にフラストレーションを感じた。相手が誰であれ、そうだったと思う。誰に対しても負けるのは大嫌いだ」。

 ふたりともが、この年末のエリート大会に出場するのは初めてだった。この大会は、まず4人1組となってラウンドロビン(グループ内の総当たり戦)を戦い、各グループのトップ2が準決勝に進出するルールとなっている。メドベデフは今季のツアーでUSオープン決勝に進出したほか、ハードコートで4タイトルを獲得しており、最強のハードコート選手としての地位を確立させている。

 しかし、ATPファイナルズに出場した初のギリシャ人プレーヤーとなったチチパスは、アグレッシブなフォアハンドを使ってメドベデフが試合の主導権を握ることを阻んだ。この試合での彼は26度ネットに出て、そのうち22ポイントをつかんだ。

 第1セットのタイブレークでチチパスはフォアボレーのウィナーを叩き込んで6-5とリードし、メドベデフの次のショットがネットにかかった瞬間にセットをものにした。

 一方、より遅い時間帯の試合では、第7シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が第1シードのラファエル・ナダル(スペイン)を6-2 6-4で倒すという番狂わせが起こした。これに先立ち、ズベレフはナダルと対戦した5度の機会のすべてで敗れていた。

 もうひとつのグループは日曜日に初戦を戦い、第2シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第8シードのマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)を倒し、第3シードのロジャー・フェデラー(スイス)は第5シードのドミニク・ティーム(オーストリア)に敗れていた。

(APライター◎マティアス・カレン/構成◎テニスマガジン)

※写真はステファノス・チチパス(ギリシャ/右)とダニール・メドベデフ(ロシア)
LONDON, ENGLAND - NOVEMBER 11: Daniil Medvedev of Russia shakes hands at the net with Stefanos Tsitsipas of Greece after their singles match during Day Two of the Nitto ATP World Tour Finals at The O2 Arena on November 11, 2019 in London, England. (Photo by Justin Setterfield/Getty Images)

グループ・アンドレ・アガシ|成績

ステファノス・チチパス(ギリシャ)[6] 1勝0敗
アレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)[7] 1勝0敗
ラファエル・ナダル(スペイン)[1] 0勝1敗
ダニール・メドベデフ(ロシア)[4] 0勝1敗

グループ・ビヨン・ボルグ|成績

ノバク・ジョコビッチ(セルビア)[2] 1勝0敗
ドミニク・ティーム(オーストリア)[5] 1勝0敗
ロジャー・フェデラー(スイス)[3] 0勝1敗
マッテオ・ベレッティーニ(イタリア)[8] 0勝1敗

※[ ] 数字はシード順位


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