大一番を制したフェデラーが準決勝へ、ジョコビッチは年末世界1位奪取ならず [Nitto ATPファイナルズ]

男子トップ8によるエリート大会「Nitto ATPファイナルズ」(イギリス・ロンドン/11月10~17日/賞金総額900万ドル/室内ハードコート)の大会5日目はグループ・ビヨン・ボルグのラウンドロビン(総当たり戦)第3戦が行われ、第3シードのロジャー・フェデラー(スイス)と第8シードのマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)が勝ち星を挙げた。

 グループ突破がかかった大一番を制したフェデラーは、今年のウインブルドン決勝の記憶が本当に過去のものとなったところを示して見せた。

 ウインブルドンでの伝説的5セットマッチ以来となるフェデラーとノバク・ジョコビッチ(セルビア)の対戦で、フェデラーは出だしから優勢を保ったまま6-4 6-3で勝利をおさめ、準決勝進出を決めた。

「素晴らしいプレーができた。そして、そうしなければならいことはわかっていた」とフェデラーは試合後にコメントした。「傑出したパフォーマンスを生み出すことができた。魔法のようだったよ」。

 それはフェデラーにとって、2015年以来となるジョコビッチに対する勝利だった。フェデラーはジョコビッチが第5セットでふたつのマッチポイントを凌いだ7月のウインブルドン決勝を含め、ここ5対戦でジョコビッチに敗れていたのだ。

「いうまでもなく、ノバクを倒すというのは常に特別なことだ。(ウインブルドンで)起きたことゆえに、一層そうだと言える」とフェデラーは語った。「でも僕は、幽霊を消し去らなければいけないとか、そんなことを感じていた訳でなかった。あのあと、僕はかなり速やかに次のことに移っていったと感じている」。

 ジョコビッチが3つのサービスブレークを比較的安易に与え、フェデラーは彼に巻き返すチャンスをまったく与えなかったため、この試合にはあのウインブルドンでの試合のようなドラマはなかった。

 1時間13分しかかからなかったこの試合には、ジョコビッチがサービスゲームをラブゲームでブレークされるという形で終止符が打たれた。

「今日の彼は、すべての面で優れた選手だった。間違いなく、彼は勝つに値した」とジョコビッチは相手を称えた。「ただ僕の側から見て、かなりまずい試合だったよ」。

 この試合の結果、第2シードのジョコビッチはグループ・ラウンドの成績1勝2敗で敗退し、そのためラファエル・ナダル(スペイン)が年末世界ランキング1位の座をキープすることが決まった。ジョコビッチはこの大会に優勝することができればナダルを追い越し、ピート・サンプラス(アメリカ)とタイとなる6度目の年末ランキング1位を記録する可能性を手にしていた。しかし今、その夢はついえた。

「もちろん、それはシーズンの終わりに向けての大きなモチベーションだった」とジョコビッチは認めた。「でもコートに出ていくたびに、何かが懸かっているんだよ」。

年末世界ランク1位の望みが潰えたノバク・ジョコビッチ(セルビア)
LONDON, ENGLAND - NOVEMBER 14: Novak Djokovic of Serbia stretches to play a backhand in his singles match against Roger Federer of Switzerland during Day Five of the Nitto ATP World Tour Finals at The O2 Arena on November 14, 2019 in London, England. (Photo by Julian Finney/Getty Images)

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