フェデラーは2020年シーズンに向け、すでに「わくわくしている」
非常に長期間に渡ってテニス界を支配したあとロジャー・フェデラー(スイス)は2020年について、テニスのビッグ3は新世代からさらに厳しい挑戦を受けることになるだろうと考えている。
フェデラーの2019年シーズンは、ATPファイナルズ準決勝でのステファノス・チチパス(ギリシャ)に対する敗戦で幕を閉じた。先週行われたトップ8によるこの大会では、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ラファエル・ナダル(スペイン)もグループ・ステージで敗退していた。
初めてATPファイナルズ出場を果たした21歳のチチパスは、3人の偉人による覇権という前例のない時代をついに終わらせるかに見えている新進気鋭の才能ある若き選手たちの一角だ。このシーズン末の大会に出場していた若手たちの中には、前年度覇者で22歳のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)、USオープン準優勝者で23歳のダニール・メドベデフ(ロシア)もいた。
とはいえ、38歳のフェデラーが才能ある若い選手の集団について語るのはこれが初めてではない。ただ、これまではそれらの選手たちの誰一人もがビッグ3の“鉄の覇権”を崩せていなかっただけなのだ。
「毎年、年の終わりに同じ質問が出ている」とフェデラーは新世代について語った。
「しかし今年は特に、(これから)最高の年がくると感じられるんじゃないかって? それはあり得る。でも、今年を世界1位で終えたのは誰か、ここ何年か世界1位だったのは誰かを見てみたとき、必ず僕らのひとりだというのはクレイジーなことだね。でも僕らが若くなっていくことはない…だからそのチャンスは増えていくだろうが、それは僕らがダメになっていくからではなく、彼らがより強くなってきているからだ」
ナダルは5度目の年末世界ランク1位となり、その回数でフェデラーとジョコビッチに並んだ。2004年以来、年末ランキングを1位で終えたほかの選手は2016年のアンディ・マレー(イギリス)だけだ。
加えてビッグ3が、彼らの間でここ「12」のグランドスラム・タイトルを分け合っていることを忘れてはいけない。そして若手のひとりがこの彼らの連勝に終止符を打つまで、世代交代を叫ぶのは時期尚早なのだ。
「間違いなく、それは彼ら(若い世代)に必要な次のステップだ」とフェデラーはコメントした。「(台頭を目指す若手にとっての)僕が見たところ唯一の問題は、ノバクとラファが健康であること、たぶんここ数年よりもいい健康状態であるように見えることだね」。
一方でズベレフは今、若い選手たちにはグランドスラム・タイトルのために競う準備が整ったと確信している。
「来年にはグランドスラムで新しいチャンピオンが生まれると思う。それが誰になるか、見てみることにしよう。並外れたプレーをしている若い選手たちが数人いるからね」
ATPファイナルズ準決勝でドミニク・ティーム(オーストリア)に敗れたあと、ズベレフはこう言った。
「ダニールかもしれないし、ステファノスかもしれない。あるいはドミニクかもしれない。僕もこの集団の中に入っているよう願うよ。来季が何をもたらすか、僕らは直に目にすることになる。でもとにかく若い選手たちにとって、(来季は)エキサイティングな年になるだろうと思う」
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