テニス・オーストラリアがマーガレット・コートのグランドスラム達成50周年記念日を祝うことに
テニス・オーストラリア(豪州テニス協会)は1月のオーストラリアン・オープンの間に、1970年に達成されたマーガレット・コート(オーストラリア)のグランドスラム達成50周年記念を称える式典を行うプランがあることを明かした。しかし騒ぎを巻き起こした彼女の同性愛反対の姿勢は、彼らの平等、多様性、包括の価値観に沿うものではないと強調した。
「これは私にとって素晴らしいマイルストーンです。時間がいかに早く過ぎ去るか、信じられません」というコートのコメントがテニス・オーストラリアの声明文の中で引用された。
今や西オーストラリアでキリスト教の牧師を務めている77歳のコートは2017年、若い人々が自分の性的方向性を問うのは悪魔のせいであると発言したことで論議を巻き起こした。彼女はまた、「オーストラリア、子供たち、子供たちの子供たちのために」、同性婚反対に票を投じるよう国民を促す公開レターを書いた。しかしその後、同性婚はオーストラリアで合法化された。
これらの件について彼女は、ビリー ジーン・キング(アメリカ)をはじめとする女子テニス界の要人の何人かに批判された。批判者たちは、オーストラリアン・オープンの会場メルボルン・パークの主要コートのひとつである「マーガレット・コート・アリーナ」の名前を変更するようテニス・オーストラリアを促したほどだったのである。
このような経緯からテニス・オーストラリアが論議を避けるため、この50周年記念にどんな祝典も行わないのではという憶測もあった。しかし6月、テニス・オーストラリアのビデオ・プロダクション・チームはパースにあるコートの自宅を訪ねて彼女と1日を過ごし、大会で公開される短いドキュメンタリーを撮影した。
「撮影の間、コート夫人は彼女がツアーを転戦していたころの貴重な思い出と、彼女の比類ない功績に関する深い考えを我々と分かち合ってくれました」とテニス・オーストラリアは明かし、この祝典はコートの過去のテニスの武勲を讃えるためのものだということを強調した。
「頻繁に言ってきたように、テニス・オーストラリアはここ何年かに渡って我々のコミュニティの多くの人々の気分を害してきた彼女の個人的見解には同意していません」とテニス・オーストラリアは声明文の中で述べた。
「それは我々の平等、多様性、包括の価値観に沿うものではありません。我々のスポーツは、性別、能力、人種、宗教、性的志向に関わらず、皆を歓迎します。我々は積極的に、スポーツのすべてのレベルで包括的な取り組みを推進していくつもりです」
セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)は最多記録を持つコートのグランドスラム大会優勝数「24」まで、あと1勝と迫っている。1953年にモーリーン・コノリー(アメリカ)が、1988年にはシュテフィ・グラフ(ドイツ)が同じ1年の間に4つのグランドスラム大会すべてに勝つという偉業に成功しており、これまでこの『真のグランドスラム』に成功した女子プレーヤーはコートを含めて3人のみとなっている。
(APライター◎デニス・パッサ/構成◎テニスマガジン)
※写真は2013年オーストラリアン・オープンの女子シングルス決勝でプレゼンターを務めたマーガレット・コート(オーストラリア)
MELBOURNE, AUSTRALIA - JANUARY 26: Margaret Court stands with the Daphne Akhurst Memorial Cup to be presented to the winner of the women's final match between Victoria Azarenka of Belarus and Na Li of China during day thirteen of the 2013 Australian Open at Melbourne Park on January 26, 2013 in Melbourne, Australia. (Photo by Ryan Pierse-Pool/Getty Images)
Pick up
-
2024-04-22
予約開始『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)5月3日発売!テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2023-10-30
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「あなたは必ずゲームがうまくなる! [ドリル編]」(堀内昌一著)
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)2月5日発売
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2023-06-13
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ テニス』(宮尾英俊著)好評発売中!
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ』のバレーボール、バ
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
-
2023-04-03
『テニスの心理学~“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!』(佐藤雅幸著)
Tennis Magazine extraシリーズの最新刊『
Pick up
-
2024-04-22
予約開始『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)5月3日発売!テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2023-10-30
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「あなたは必ずゲームがうまくなる! [ドリル編]」(堀内昌一著)
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)2月5日発売
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2023-06-13
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ テニス』(宮尾英俊著)好評発売中!
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ』のバレーボール、バ
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
-
2023-04-03
『テニスの心理学~“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!』(佐藤雅幸著)
Tennis Magazine extraシリーズの最新刊『
Ranking of articles
-
2024-04-14
18歳の石井さやかがITFツアー初優勝、プロ転向後の初タイトルを獲得 [W35富士薬品セイムス ウィメンズカップ]
-
2024-04-13
2024年最初の国内ジュニア全国大会は鈴木琉斗(神奈川/慶應義塾高校)と上村睦実(愛知/名古屋LTC)が優勝 [MUFGジュニア2024]
-
2024-04-15
トップシードを守った内田海智が2021年10月以来のITFツアー9勝目 [M15キロタ]
-
2024-04-14
片山翔が男子シングルス2連覇、中川舜祐/楠原悠介はダブルス優勝 [第60回東京オープン]
-
2024-04-13
青山修子/柴原瑛菜が代表戦9試合目で初黒星、日本は3勝1敗でカザフスタンに勝利 [ビリージーンキングカップ日本対カザフスタン]