藤原智也が2年ぶり2度目の優勝、インターハイと全日本ジュニアを合わせて年間三冠も達成 [第40回全日本ジュニア選抜室内]
今年最後の国内ジュニア全国大会「JOCジュニアオリンピックカップ 第40回全日本ジュニア選抜室内テニス選手権大会」(12月12~15日/兵庫県三木市・ブルボンビーンズドーム/室内ハードコート)の最終日は、順位別トーナメントの決勝と3位決定戦が行われた。
男子1位トーナメントの決勝を制し、2年ぶりのチャンピオンに輝いたのは高校3年の藤原智也(東山高)。一つ年下の中村元(新田高)を7-6(8) 6-3で退けた。なお、3位決定戦は大田空(四日市工高)が内大腿を痛めて棄権したため、片山楓(敦賀気比高)の不戦勝となった。
◇ ◇ ◇
今年の夏にインターハイと全日本ジュニアの二大タイトルを手にした藤原が、この時期に3つ目の全国タイトルを狙いにきたことには驚いた。2年前、16歳のときにすでに一度優勝している大会でもある。昨年はラウンドロビンをトップ通過できず2位トーナメントのトップに甘んじたが、そのリベンジに燃えていたという訳でもなく、「せっかく関西協会から連絡をいただきましたし、ほかに試合もないので、運動がてら出ようかなと」と冗談とも本気ともとれないようなことを言った。
本来プレッシャーのかかる立場だが、それくらい楽な心持ちでいたことがよかったのか、ラウンドロビンから力みのないプレーを展開。得意のラリー戦で見せるコントロールとスピード感は、ここでは群を抜いていた。
最後の相手は、これまで全国大会でベスト4以上の経験がなかった中村。3回戦で敗れたインターハイのあと、「攻撃的なテニスに変えていこうと、時間をかけてやってきた」という努力が功を奏し、ラウンドロビンで高校選抜優勝の影山太星(名経大市邨高)を破っての1位トーナメント進出だった。
第1セットは、第2ゲームをブレークした中村が3-0と好スタートを切った。以前に藤原との1セットマッチの練習試合で1ゲームも取れなかったという中村は、「失うものは何もない」と取り組んできた攻撃的なプレーを積極的に披露。早いタイミングでダウン・ザ・ラインへの展開を仕掛け、ネットにも果敢に出てボレーやスマッシュでポイントを奪った。
藤原は「(中村が)ミスをしなかったので、少しは焦りもありましたけど、ワンブレークだったのでそこまで追い詰められてはなかった」と振り返り、実際に第5ゲームでブレークバック。その後のシーソーゲームの展開はタイブレークにも持ち込まれたが、大接戦の末に藤原が10-8でものにした。
第2セットは藤原が先に第6ゲームでブレーク。第7ゲームでブレークバックのピンチが一度あったが凌ぎ、最後まで安定したプレーで締めくくった。
終わってみれば、さらりと年間三冠。大会V2も合わせて、この大会が〈国内ジュニア・マスターズ〉と呼ばれる現行方式になってから初めての快挙だ。来春からは大学生。この大会のチャンピオンが大学テニス1年目から大活躍した例は少なくないが、2019年の国内ジュニア王者は「まずはインカレ出場で」と謙虚すぎる目標を掲げた。
(ライター◎山口奈緒美)
※トップ写真は藤原智也(東山高)
撮影◎宮原和也 / KAZUYA MIYAHARA
Pick up
-
2024-04-22
予約開始『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)5月3日発売!テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2023-10-30
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「あなたは必ずゲームがうまくなる! [ドリル編]」(堀内昌一著)
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)2月5日発売
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2023-06-13
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ テニス』(宮尾英俊著)好評発売中!
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ』のバレーボール、バ
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
-
2023-04-03
『テニスの心理学~“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!』(佐藤雅幸著)
Tennis Magazine extraシリーズの最新刊『
Pick up
-
2024-04-22
予約開始『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)5月3日発売!テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2023-10-30
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「あなたは必ずゲームがうまくなる! [ドリル編]」(堀内昌一著)
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)2月5日発売
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2023-06-13
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ テニス』(宮尾英俊著)好評発売中!
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ』のバレーボール、バ
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
-
2023-04-03
『テニスの心理学~“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!』(佐藤雅幸著)
Tennis Magazine extraシリーズの最新刊『
Ranking of articles
-
2024-04-21
ルードが2大会連続決勝進出、相手は前週敗れたチチパス「明日はキャリア最大のタイトルを目指す」 [バルセロナ・オープン]
-
2024-04-15
トップシードを守った内田海智が2021年10月以来のITFツアー9勝目 [M15キロタ]
-
2024-04-13
2024年最初の国内ジュニア全国大会は鈴木琉斗(神奈川/慶應義塾高校)と上村睦実(愛知/名古屋LTC)が優勝 [MUFGジュニア2024]
-
2024-04-14
18歳の石井さやかがITFツアー初優勝、プロ転向後の初タイトルを獲得 [W35富士薬品セイムス ウィメンズカップ]
-
2024-04-17
2022年フレンチ・オープン以来となるクレーコート大会参戦の大坂なおみは初戦敗退 [WTAルーアン]