ウォズニアッキは伏兵ペグラに敗退、セレナとの決勝は実現せず [ASBクラシック]

今季のWTAツアー開幕戦のひとつとなる「ASBクラシック」(WTAインターナショナル/ニュージーランド・オークランド/1月6~12日/賞金総額27万5000ドル/ハードコート)の女子シングルス準決勝で、ジェシカ・ペグラ(アメリカ)が元世界ランク1位のカロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)を倒す番狂わせに成功し、決勝で第1シードのセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)と対戦することになった。

 バッファロー・ビルズのオーナーであるテリーとキムのペグラ夫妻の娘ジェシカは、1セットダウンから挽回して第5シードのウォズニアッキを3-6 6-4 6-0で下した。オーストラリアン・オープン後に引退することを決めているウォズニアッキにとって、これは最後から2番目の大会だった。

ASBクラシック2020|PHOTOアルバム

 セレナが日曜日の決勝に駒を進めたとき、オークランド・テニス・センターの観客たちはペグラの勝利のショックから立ち直り切ってさえいなかった。セレナは第3シードのアマンダ・アニシモワ(アメリカ)と対戦したが、わずか45分しかかけずに6-1 6-1で退けた。

 グランドスラムでセレナが獲得した「23」のタイトルの最初のものを獲ったときにアニシモワはまだ生まれてさえおらず、いつの日かセレナと対戦したいと願っていた。しかしそれが実現したとき、セレナは非常に圧倒的な調子を誇っていた。

「私は今日、間違いない“ゾーン”(無我の境地にも近い集中状態で、やることなすことが上手くいくと言われる状態)に入っていたわ」とセレナは振り返った。「ただ、そういった何もかもがうまくいく日のひとつだったのよ」。

「自分が本当に素晴らしい選手であり、それ以上に優れた人物とプレーするのだということはわかっていたから、集中して真剣に臨まなければいけないと自覚していた。気分はいいわ。私はここ数年、本当にハードにトレーニングしてきて――私の娘はまだ2歳よ――自分に厳しくやってきたと思う。でもすべてを加味すれば、本当にうまくいっているわ」

 2019年にランキングを99位から24位にまで引き上げ、準決勝への道のりでユージェニー・ブシャール(カナダ)を倒したアニシモワはこの土曜日、セレナのパワーに対してどんな対策も持っていなかった。彼女は最初のサービスゲームを落とし、第3、第7ゲームでもブレークされた。

 この試合は2時間近くかかったウォズニアッキ対ペグラの試合とは対照的で、セレナは第2セットの第2ゲームと第4ゲームでまたもブレークして一気に4-0とした。

 ペグラはこの試合の最初のゲームでブレークしたがすぐにブレークバックされ、また第6ゲームでブレークされて43分で第1セットを落とした。しかしペグラは第2セットで奮起し、ベースラインから試合をコントロールしながら相手よりもアグレッシブにプレーした。

 彼女はウォズニアッキを振り回し、特にクロスのフォアハンドのペースを上げるなどしてグラウンドストロークのスピードを変えた。ウォズニアッキはより守備的で、対抗しきれずに四苦八苦していた。

 第2セットの第2ゲームでウォズニアッキのサービスゲームを破ったペグラは、それからブレークバックされて2-2となったが、第10ゲームでふたたびブレークを果たしセットを取った。

 第3セットでのペグラは3度ブレークに成功し、3度目のWTAツアー決勝へと突き進んだ。

「カロラインは驚くべきキャリアを送ったわ。彼女がもうすぐ引退することは知っている。今日は本当に懸命に戦わなければいけないかったけど、勝つことが出来て幸せだし、決勝に進出できてうれしい」とペグラは試合後に語った。「彼女はディフェンシブなプレーに関しては第一人者だから、もし私のほうが守備的にプレーしたら勝てないということははっきりわかっていた。だから私はコート内に踏み込んで好機を逃さずとらえ、自分のテニスをするよう努めなければならなかったの」。

 とはいえウォズニアッキは、まだオークランドでタイトルを獲るチャンスを手にしている。彼女はセレナと組んだダブルスで、日曜日に決勝を戦うのだ。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はカロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)
AUCKLAND, NEW ZEALAND - JANUARY 11: Caroline Wozniacki of Denmark leaves the court following her semifinal match against Jessica Pegula of the USA during day six of the 2020 Women's ASB Classic at ASB Tennis Centre on January 11, 2020 in Auckland, New Zealand. (Photo by Phil Walter/Getty Images)

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

Pick up

Ranking of articles