ジョコビッチが2006年以来14年ぶりに全豪1回戦でセットを落とす
「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・メルボルン/本戦1月20日~2月2日/ハードコート)」の大会初日の男子シングルス1回戦。
ノバク・ジョコビッチ(セルビア)はこの日、ここ14年やっていなかったあることをやった。彼はオーストラリアン・オープン1回戦でセットを落としたのだ。
とはいえ、それが彼を煩わせることはなかった。ジョコビッチは実際、月曜日の夜のロッド・レーバー・アリーナでの閉じた屋根の下で直面したチャレンジをよいことだとみなしていた。
「実をいえば、タフな1回戦は好きだね。特にグランドスラム大会では」
世界ランク37位のヤン レナード・ストルフ(ドイツ)を7-6(5) 6-2 2-6 6-1で破ったあとに、前年度覇者のジョコビッチはこう言った。
「そういう試合は、エンジンをかけてくれるからね。ごく出だしから、僕は警戒を怠らないようにしなくてはならない。高いレベルでなくてはならない。そして僕は(今日)そうだったと思う」
これ以前に最後にジョコビッチがオーストラリアン・オープン1回戦でセットを落としたのは、2006年のポール・ゴールドスタイン(アメリカ)戦に遡る。それ以来、16度グランドスラム大会を制した男は、このハードコート大会の1回戦で13年連続でストレート勝ちをおさめた。ストルフに対し最初の2セットを取ったので、それを加えると連続41セットを取ったことになる。しかし、それからちょっとした一時的下降が起きた。
ストルフは第3セットだけで、3度ジョコビッチのサービスを破ることに成功したのである。
「彼は流れを変え、ミスをあまりおかさなくなった」と第2シードのジョコビッチは振り返った。「奮闘した彼の功績だ。彼は非常にパワフルなプレーヤーだよ」。
同様に言及する価値があるのは、ジョコビッチが第3セットの最後の2ポイントでダブルフォールトをおかして対戦相手を助けてしまったことだ。
しかしながらジョコビッチはまもなく態勢を立て直し、第4セットの最初の9ポイントのうち8本を取って、キャリア900回目のマッチ勝利に向けて突き進んだ。最後のセットには22分しかかからなかった。
第1セットにもちょっとした躓きはあった。ジョコビッチは5-3からの自分のサービスゲームでセット奪取まであと1ポイントと迫っていたが、それを落としてタイブレークにもつれ込んでしまったのだ。ビッグヒッターのストルフは、キャリアを通して26度のグランドスラム大会出場で16度の1回戦負けを喫していた。
ジョコビッチはあるミスのあと、「何が起こっているんだ?」とでも言うかのように目をぐるりと回したり腕を広げてみせたりし、フラストレーションのサインを見せ始めた。ほかのミスのあとにはうなだれ、肩を叩いた。しかし最終的に彼は困難を切り抜けた。
完璧ではない試合ではあったが、全体的にいえばメルボルンで8度目のタイトルを狙うための進撃のスタートとして満足のいく“夕べ”だった、とジョコビッチは考えていた。
「いい形、正しいやり方で試合を終えることができた」とジョコビッチはコメントした。「これは非常にポジティブなことだよ」。
(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
※写真はノバク・ジョコビッチ(撮影◎毛受亮介 / RYOSUKE MENJU)
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