コーチのマリアン・バイダが語る強さの理由「覚醒したDJOKER〜ノバク・ジョコビッチ」

今シーズンのジョコビッチをどのように脱明したらいいのだろう? オ—ストラリアン・オープンから負けなしの6大会連続優勝。ナダルもフェデラーもその強さに驚きを隠せないでいる。もはや彼を2人に次ぐ“3番手”と呼ぶ者はいないだろう。この強さの秘密は何なのか? 長年のコーチであるマリアン・バイダがその疑問に答えてくれた。【2011年7月号掲載】

インタビュー◎ポール・ファイン 翻訳◎川口由紀子 写真◎AP、BBM

ジョコビッチがもっとも信頼を置くコーチのバイダ(中央)。彼の存在なくして現在のジョコビッチの強さは語れない

無敵!6大会連続優勝のジョコビッチ

(上段左から)メルボルン、ドバイ、インディアンウェルズ、(下段左から)マイアミ、ベオグラード、マドリッド

年、ノバク・ジョコビッチはヘッドの『ユーテック・インネグラ・スピードラケット』のプロモーションのために、複葉機の翼の上で他のプレーヤーとラリーをした。3月にYouTubeのhead.comや、他のウェブサイトに登場したそのコマーシャルを見た人々は、ヘッドギアにゴーグル、そして飛行服を着用したその元気溌剌としたセルビア人が、本当に1000m上空でテニスをしたのだろうかという疑念に包まれた。

 今年、そのDJOKER(ジョコビッチ=DJOKOVICと、冗談を言う人=JOKERの合成語と思われる)が空高く飛んでいることに疑いの余地はない。彼は現在、鮮やかなオーストラリアン・オープン優勝を含む32試合負けなしの記録を打ち立てるなど、この上なく素晴らしいテニスを繰り広げている。

 オーストラリアン・オープンの準決勝では伝説の人、ロジャー・フェデラーを圧倒的な強さで破り、決勝ではアンディ・マレーに圧勝して、2度目のグランドスラム優勝を果たしている。ジョコビッチのハードコートでの連勝はインディアンウェルズやマイアミでも続き、そこで彼は世界ナンバーワンのラファエル・ナダルを魅惑的な3セットマッチとなった決勝で追い出している。

 だが、ジョコビッチはフレンチ・オープンやウインブルドンという苦手なクレーや芝生でも、その強さを継続できるであろうか? もし彼がロラン・ギャロスで優勝したら、マドリッド・オープン決勝が大きな意味を持つだろう。彼はナダルのクレー37連勝をストップさせるとともに、彼自身のクレーでのナダル戦を9連敗で止めたのだから。

 今回の広範囲にわたるインタビューの中で、高く評価され、長年のコーチであり、また親友でもあるスロバキア人、マリアン・バイダが、なぜ23歳のジョコビッチがこれほどまでに強くなったのか、そして今年の残りのシーズンで我々は彼から何を期待できるのかを明らかにしてくれた。

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