メドベージェフのコーチが憤慨し、ボックス席から立ち去る [オープン13]
ATPツアー公式戦の「オープン13プロバンス」(ATP250/フランス・マルセイユ/2月17~23日/賞金総額76万9670ユーロ/室内ハードコート)の男子シングルス2回戦。
ダニール・メドベージェフ(ロシア)のコーチはヤニク・シンネル(イタリア)に対する試合での教え子の振る舞いを、うれしく思わなかった。第1シードのメドベージェフは18歳のシンネルに1-6 6-1 6-2で挽回勝ちして準々決勝に進出したが、彼の第1セットでのパフォーマンスはコーチのジル・セルバラ氏を怒らせた。セルバラ氏は憤怒のあまり、チームのボックス席から立ち去ってしまったのだ。
「第1セットでダニールが見せたような態度、ポイントを落とすたびに喚いたり悪いエネルギーを発しているダニールを見るのは不愉快だ」とセルバラ氏はフランスのレキップ紙に語った。「私は自分に、『彼は反撃しなくてはならない。彼か、私かだ』と問いかけたんだ。それは私だった。私はあの時点で、あのような振る舞いを支援したくなかった。彼があのような態度を続けていたら、まっすぐ壁にぶち当たるとわかっていたからね」。
昨年のUSオープン決勝で最終的にラファエル・ナダル(スペイン)に5セットの死闘の末に敗れる前に驚くべき挽回劇を演じて見せたメドベージェフは、11月のATPファイナルズでも癇癪を起した。彼はラウンドロビンのナダル戦で第3セット5-1とリードし、マッチポイントまで手にしていた。しかし彼はそこから勝利が手からこぼれ落ちていくなか、荒々しい視線をボックス席に向け、自分を怒鳴りつけ、怒りながら芝居じみたしぐさでラケットを振り回した。
「あるポイントで、彼のレベルと年齢にそぐわないものを見せることがある」とセルバラ氏は教え子の問題について指摘した。世界ランク5位のメドベージェフふたつのマスターズ1000大会で優勝し、総計4つのタイトルを獲って2019年にブレイクのシーズンを送った。
セルバラ氏はこのとき、今回自分が立ち去ったことがメドベージェフを反撃に駆り立てるよう願ったのだという。
「私はひそかに、私の行為が彼に行動を起こさせるきっかけになるよう願っていた」とセルバラ氏は明かした。「私はあれ以上待ちたくなかったんだ…。シンシナティのコートサイドで一度、怒鳴り合ったことを覚えている。今回、私はただ立ち上がって出て行った」。
24歳のメドベージェフは、セルバラ氏がホテルに帰ってしまったとしても彼を責めることはないだろう。
「あの僕のコート上の振る舞いを考えれば、自分のボックスの皆が去ってしまったとしても、僕は『OK、彼は正しい』と言うしかないよ」とメドベージェフは試合後にコメントした。「同時に僕は、よいエネルギーを取り戻すことができた。そのあとには、僕は何も言わなかったからね」。
彼は次のラウンドで、ベテランのジル・シモン(フランス)と対戦する。地元フランスのシモンはこの日、アルヤズ・ベデネ(スロベニア)を7-6(6) 6-4で倒して勝ち上がった。両者の過去の対戦成績は、シモンが2勝0敗でリードしている。(C)AP(テニスマガジン)
※写真はロッテルダムの大会でのダニール・メドベージェフ(ロシア)
ROTTERDAM, NETHERLANDS - FEBRUARY 12: Daniil Medvedev of Russia returns a forehand against Vasek Pospisil of Canada during Day 5 of the ABN AMRO World Tennis Tournament at Rotterdam Ahoy on February 12, 2020 in Rotterdam, Netherlands. (Photo by Dean Mouhtaropoulos/Getty Images)
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