すべてのプレーヤーが取り入れるべき基本「ユニットターン」_ジョコビッチのフォアハンド検証第2弾

(※原文ママ)前回記事(ジョコビッチのフォアハンド・シリーズ第1弾)で、私たちはプロテニス界のもっとも効果的な武器のひとつ、ノバク・ジョコビッチのフォアハンドに見られる、驚くべき構成要素のコンビネーションを見てきました。ジョコビッチのフォアハンドが、ラファエル・ナダルとロジャー・フェデラーのあるいくつかの構成要素のコンビネーションであること、一方で、その偉大な2人のプレーヤーと著しく異なる点があることについて解説しました。今回はその続きで、ジョコビッチが実際にどのようにフォアハンドを打っているか、ストロークの準備段階で特に重要とされる『ユニットターン』(腕、肩、上体などが一体となってターンする総合的なひねり)をどのように行なっているかを解説しましょう。それはすべてのレベルのプレーヤーが分かち合うべき、非常に重要な共通動作でもあります。解説◎ジョン・ヤンデル【2011年12月号掲載】

解説◎ジョン・ヤンデル 翻訳◎木村かや子 写真◎小山真司 イラスト◎サキ大地

ジョコビッチのフォアハンドを検証する第2弾

一連の動き出しのすべてが“出だし”にかかっている!

すべてのプレーヤーが取り入れるべき基本
「ユニットターン」

Novak Djokovic's Forehand
The Unit Turn
Start of the Preparation

John Yandel

ジョン・ヤンデル◎1952年12月20日、アメリカ・オクラホマ州出身。エール大学卒。第一線のビデオグラファーかつモダン・プロテニス研究者の一人として、世に広く認められた人物。ハイスピードビデオカメラによるプレー映像は、80名以上のトッププレーヤーから6万種類以上におよび、そのデータベースは、プレーヤー、コーチ双方のテニス研究の方法、理解の方法を変える、新しいビジュアル的資料となった。現在、世界複数国のテニス協会コンサルタントを務めるほか、トッププレーヤーたちのビデオ分析において厚い信頼を受けている。ジョン・ヤンデル・テニススクールがカリフォルニア州サンフランシスコにある。ヤンデル氏が運営するインターネットサイト Tennisplayer.net

\ここがすべての始まり/

ユニットターン|The Unit Turn

取り入れなければいけない!
ユニットターンは、
あなたのレベルに
途方もない違いを生み出しうる

ユニットターンとは、
腕、肩、上体などが
一体となってターンする
総合的なひねり

ョコビッチ、ナダル、フェデラーのトップ3を見ればわかるように、プレーヤーのスイングには多様性があります。にもかかわらず、ほぼすべてのトッププレーヤーの間には、非常に類似した要素がひとつあります。それがボールを打つ前の準備“出だし”です。

上半身と足がいっしょに動き、体が横にターンする形でストロークは始まる

ォアハンドを打つ際の最初の動きが、ユニットターンです。ユニットターンとは、腕、肩、上体などが一体となってターンする総合的なひねりを言います。上半身と足がいっしょに動き、体が横にターンする形でストロークは始まります。

 ユニットターンは、技術的にしっかりしたフォアハンドを身につけることを望む、あらゆるレベルのプレーヤーが取り入れるべき基本です。非常にシンプルであり、マスターするのが簡単なモーションでありながら、あなたのプレーレベルに途方もない違いを生み出し得るものでもあります。

 では、細かく見ていくことにします。特に注目してもらいたいのは、ユニットターンにおける足の役割です。そこには多くの可能性が存在します。というのもトッププレーヤーは、ときにシンプルに、ときに複雑に、多くの違ったパターンのフットワークを使っていて、彼らのチョイスは状況次第であったり、個人の好みによったりもします。

 これらのフットワークを少し分類して、プレーヤーが選ぶフットワークの選択幅を知り、それらが意識的に訓練されたものかどうかを語りましょう。その上で、すべてのレベルのプレーヤーがユニットターンならびに足の役割をマスターできるように、もっともシンプルな方法に戻ることにします。

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

Pick up

Ranking of articles