ワールドチームテニスがウイルス検査陽性の参加者に対する方針を変更
来月に2020年の開幕を迎えるワールドチームテニス(WTT)が、 新型コロナウイルス(COVID-19)のテストで陽性と診断された選手に関するふたつのカギとなる方針に変更を施した。そのうちのひとつは、3週間のシーズン中に具合が悪くなった者に日割りで計算された報酬を払うという原案の代わりに、約束された報酬の全額を支払うというものもある。
WTTの最高経営責任者(CEO)であるカルロス・シルバ氏は水曜日の電話インタビューの際に、7月12日から8月2日までの全対戦の会場であるウェストバージニア州のリゾートに到着した際に受けるテストで陽性だった人は報酬なくリーグから外すという部分のルールも調整すると参加者に伝えるつもりだと話した。
そうなれば選手たちはグリーンブライアーに向かう前にテストを受け、ウイルスに冒されていないことを証明する必要がある。もし陽性反応を示した場合に報酬を受け取れないことは変わらないないが、少なくともわざわざ会場に出向く必要はなくなる。
「それはある意味で、『山や小川を超えてわざわざここまでやって来たが、テストで陽性と分かって仕事ができなくなってしまった』という気持ちを少しは軽減できるでしょう」とシルバ氏はルールを変更する意図について説明した。
「選手がカリフォルニアにいて、テストで陰性と分かったらグリーンブライアーに出向く。誰かが来る前に、我々はその選手がテストで陰性だったと知ることができるという訳です」
最初にWTTが提示した衛生面の手順は、火曜日に発表されていた。それによれば、大会開始後に陽性と判定された選手はチームから外されて隔離され、すでにプレーした試合の分だけの報酬を受け取るというものだった。
「この部分について考えてみて、もし自分がプレーヤーでグリーンブライアーに赴いたらと想像してみたのです。そこに8日間滞在して誰かの具合が悪くなり、テストを受けて陽性と出た場合は選手の落ち度なのか? 彼らは8日分だけの報酬を受けるべきなのか?」とシルバはAP通信に語った。
「そして私は、『いや、馬鹿げていると思う。彼らはただ通常のシーズンで支払われる金額を受け取るべきなのだ』と思った」
WTT開催中にケガをした選手にも、全額支給の方針が適用される。
大会が計画する安全管理の対策として、すべての観客は1日2回の体温チェックを受ける。試合にはボールパーソンがおらず、主審は線審の代わりにエレクトリック・ラインコールを活用し、勝利やポイントを祝うハイタッチや対戦相手との握手は禁止となっている。
発表されたWTTの9チームのメンバーの中には、グランドスラム優勝経験者のソフィア・ケニン(アメリカ)、スローン・スティーブンス(アメリカ)、キム・クライシュテルス(ベルギー)、ボブ&マイクのブライアン兄弟(アメリカ)などが含まれている。
今年はパンデミックを理由にアメリカ各地を転戦せず、リーグは9チームをひとつの会場に集めて開催することを決めていた。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
※写真は昨年7月にアメリカ・ワシントンDCで行われたワールドチームテニスの試合の様子(選手はイギリスのハリエット・ダート)(Getty Images)
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