世界ランク1位のテニスプレーヤーであるノバク・ジョコビッチ(セルビア)は火曜日、彼と妻のエレナさんが新型コロナウイルス(COVID-19)の検査で陽性と診断されたと発表した。彼はこの週末、自身と家族の企画でセルビアとクロアチアで開催したチャリティ大会「アドリア・ツアー」でプレーしており、この大会ではソーシャルディスタンスなどコロナ関連の予防措置は取られていなかった。

 このイベントで起きた一連のニュースは、8月に予定されているUSオープンを含むテニスの本格的再開について問題を提起した。グランドスラムのタイトル数「17」で男子テニス史上3位のジョコビッチはセルビアのベオグラードとクロアチアのザダルの大会に出場したあと、ウイルス検査で陽性と診断された4人目の選手となった。

 ジョコビッチ以外の3人は、グランドスラム大会準決勝進出3度のグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)、元世界12位のボルナ・チョリッチ(クロアチア)とビクトル・トロイツキ(セルビア)だ。

 一方で同大会に出場していたドミニク・ティーム(オーストリア)、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)、マリン・チリッチ(クロアチア)、アンドレイ・ルブレフ(ロシア)は検査を受けたが陰性だった。

「不幸なことに、ウイルスは変わらず存在している。そして我々が未だに対処法や共存することをことを学んでいる最中であることは、新しい現実なのだ。時間とともに状況が改善され、我々がかつてのような生活を再開できるよう願っている」とジョコビッチは火曜日に発表した声明文の中で語った。

「感染してしまった方々皆に、大変申し訳なく思っている。それが誰かの健康状態を悪化させないよう、皆が元気になることを願っている」

 3月に男女のプロテニスツアーの休止を引き起こしたCOVID-19に関わることで、ジョコビッチは頻繁に話題を提供していた。今回の件は、公式戦を8月に再開するというプランが先週に発表されたばかりというタイミングだった。

 彼が自身のフェイスブックのライブチャットで「渡航する際の義務となったとしても、ワクチン接種を強制されたくない」と発言したことで批判されたのは、4月のことだった。

 スペイン滞在中だった5月には許可される1週間前に地元のテニスクラブで練習したことで、ジョコビッチは結果的にスペインのロックダウンに関するルールを破っていた。

 最近の出来事では、USオープン中のウイルス対策として選手と一緒に会場に入るスタッフの人数に制限を設けるといった全米テニス協会(USTA)のプランに不満を表明し、ニューヨークの大会に出場するかわからないとジョコビッチは口にしていた。

 USオープンは8月31日から無観客で開始される予定で、本来開催されるはずの5月から延期されていたフレンチ・オープンは9月27日からスタートすることになっている。

 パンデミックの影響を受けた人々のため援助金を募る目的で企画された「アドリア・ツアー」の緩い取り決めについて、ジョコビッチは自ら弁明する羽目になった。この大会の観客席はマスクなしのファンで埋め尽くされ、選手たちはオフコートでも頻繁に他の選手やファンたちと触れ合っていた。ジョコビッチと他の選手たちは頻繁に抱擁を交わし、ナイトクラブやレストランでパーティを開いたりもした。

 ディミトロフが日曜日にウイルス検査で陽性だったと発表したあと、ジョコビッチがプレーするはずだったシリーズ第2戦であるザダル大会の決勝はキャンセルされた。アドリア・ツアーの次の開催地はボスニア・ヘルツェゴビナの予定だったが、これもまた中止されることになった。

 クロアチアで記録されている感染者数は2336人で死者が107人と極めて少なく、セルビアでは約13000件の症例で死亡者が263人となっている。

「それ(アドリア・ツアー)はすべての収益を困窮している人々に寄付するという慈善的な考えから生まれた大会であり、皆がこの考えに情熱的に応えてくれた様子を見て僕は胸が熱くなった」とジョコビッチは大会への思いを明かした。

「我々はウイルスの猛威が弱まったタイミングを見計らい、ツアーを開催する状況が整ったと信じてこの大会を計画した」

 陽性と診断されたものの症状を示していないジョコビッチは14日間の自己隔離を実施し、その後もテストを繰り返すつもりだと話している。(APライター◎ドゥサン・ストヤノビッチ/構成◎テニスマガジン)

※写真は「アドリア・ツアー」ベオグラード大会でのノバク・ジョコビッチ(セルビア)(Getty Images)


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