ジョコビッチ父が息子を弁護し他の選手を糾弾「あの男が…」
ノバク・ジョコビッチ(セルビア)の両親は水曜日、ジョコビッチが主催したチャリティ大会「アドリア・ツアー」で新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者が続出したことについて、息子を弁護するとともに他のプレーヤーを糾弾した。
火曜日にジョコビッチと彼の妻が陽性と診断され、ジョコビッチ自身は各国のプロ選手たちをセルビアとクロアチアでプレーさせたイベントを開催したことに関してSNSを通して謝罪の言葉を述べた。
同大会では何千という観客がソーシャルディスタンスを保つことなく試合を観戦し、コート外のイベントなども予防措置なく普通に行われていた。
遠慮のないジョコビッチの父はツアーがキャンセルされたことについて、ここ数日の間に感染が確認された出場選手のひとりであるグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)を責めた。最初に陽性が発覚した選手ではあるが、ディミトロフが他の選手にウイルスを広めたことを示唆する証拠はまったくない。
「何故それが起きたか? それはどこからかは知らないが、あの男(ディミトロフ)が具合が悪い状態でここに来たからだ」とセルジャン・ジョコビッチ氏はクロアチアのテレビ「RTL」に持論を展開した。
「彼はここで検査しなかった。別の場所で検査を受けたんだ。それはフェアじゃないと思う」
セルジャン氏はまた、「どこでかは知らないが、彼は感染した。そしてそれはクロアチアとセルビア、そして私の家族に大きな害をもたらした。誰もこの状況を心地よく感じていない」とも話した。
グランドスラム大会で3度準決勝に進出した実績を持つディミトロフは、ツアー参加者の中で最初に陽性と診断された。それにボルナ・チョリッチ(クロアチア)、ビクトル・トロイツキ(セルビア)、そしてジョコビッチの結果が続いた。
このクラスターの発生により、8月末に予定されているUSオープンを含む競技テニスの本格的な再開に疑問を投じることになった。
「我々は間違っていた。時期尚早だった」とジョコビッチは自分たちの非を認めた。彼はこれに先立ち、「渡航する際の義務となったとしても、ワクチン接種を強制されたくない」と発言していた。
ディミトロフはセルビア・ベオグラード、クロアチア・ザダルの大会の双方でプレーした。彼はツアーに合流する際に、アメリカと母国ブルガリアに立ち寄ってからセルビアにやって来たと伝えられている。ディミトロフはAP通信からコメントを求められたが、モナコで療養中のためすぐに対応できなかった。
一方でジョコビッチの父の発言がニュースで流れたことに反応し、ニック・キリオス(オーストラリア)はSNSを通して「他人に罪をなすりつけるな」とコメントした。
NBAのデンバー・ナゲッツでプレーしているニコラ・ヨキッチ(セルビア)もまた、コロナウイルスに感染していたことが判明した。彼は今月ベオグラードで行われたバスケットボールのエキシビションで、ジョコビッチと握手しているところを写真に撮られていた。ヨキッチは現在、故郷のソンボルで回復に努めているところだという。
ジョコビッチの母は息子と彼の妻エレナの体調はよいが、世界中に広まっている批判に苦しめられていると明かした。
「本当にひどいことが書かれている。でも、もう慣れました」とディアナ・ジョコビッチ氏は地元の日刊紙「ベオグラード・ブリック」に語った。
パンデミックにより男女のプロテニスツアーは3月途中から休止されているが、先週には公式戦が8月から再開されると発表された。USオープンは8月31日から、無観客で開催されることになっている。(APライター◎ドゥサン・ストヤノビッチ/構成◎テニスマガジン)
※写真は「アドリア・ツアー」ベオグラード大会でのジョコビッチ・ファミリー(左から母ディアナ、ノバク、弟マルコ、弟ジョルジェ、父セルジャン、妻エレナ)(Getty Images)
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