ふたりのグランドスラム・チャンピオン、昨年のフレンチ・オープン準優勝者、多くのトップ20プレーヤー…
 
 世界ランク2位のシモナ・ハレプ(ルーマニア)に2017年フレンチ・オープン優勝者のエレナ・オスタペンコ(ラトビア)、そして昨年のロラン・ギャロスで準優勝したマルケタ・ボンドルソバ(チェコ)らのメンバーが集う今年のパレルモ女子オープン(WTAインターナショナル/クレーコート)は、比類ないものとなりそうな気配だ。

「エントリーリストは驚くべきものです。事実上、WTAプレミアのようですよ」と大会ディレクターのオリビエロ・パルマ氏はAP通信との電話インタビューで話した。

 それに加えて世界14位のジョハナ・コンタ(イギリス)、15位のペトラ・マルティッチ(クロアチア)、20位のマリア・サカーリ(ギリシャ)も出場する。

 通常はトッププレーヤーがスキップするこの小さなクレーコート大会に、これほど多くのランキングの高い選手が出場する理由はシンプルだ。8月3~9日に開催されるこの大会は、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによる5ヵ月の休止に続くツアー再開後の初戦だからだ。

 それは中断することが決まった3月以降で、男女を合わせて初のツアー公式戦となるのである。

「私たちにとってそれは非常に光栄なことであることは間違いありませんが、同時に大きな責任を感じています」とパルマ氏はコメントした。「我々は(パンデミック後に開催する)世界で最初の公式大会であり、新しいルールのすべてを実験する必要があるのです」。

 新しいルールとは例えば、“プレーヤー自身がボールパーソンの助けを得ることなく自分で自分のタオルを扱う”、“試合後に握手はしない、“ファンにサインをしたりファンとの記念写真撮影に応じたりしない”、“選手は会場でシャワーを浴びない”などというものだ。

 プレーヤーとプレーヤーと接触することになる人たち全員がパレルモに出発する前と到着時、その後は4日ごとにPCR検査を受けを受けることになる。

 ここまでのところ大会にとって最大の問題は陽性の検査結果ではなく、渡航制限だった。そのためグランドスラム大会を2度制したスベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)は出場取り消しを余儀なくされ、大会はヨーロッパの選手だけを対象にせざるを得なくなった。

「この大会を断行することを決めたとき、予想外の展開があるかもしれないことは分かっていました」とパルマ氏は打ち明けた。「我々にできることは、物事が滞りなく進むように祈ることだけです」。

 世界3位のカロリーナ・プリスコバ(チェコ)もハレプ同様トップ10のためのワイルドカード(主催者推薦枠)を頼んできたが、彼女はUSオープンがキャンセルされた場合にのみ来ることになっているのだとパルマ氏は明かした。

「キャンセルにならなければ、彼女は8月初頭にアメリカに向かうでしょう」とパルマ氏は説明した。

「このようなコンディション下で開催される大会は、アメリカのサーキットとヨーロッパのサーキットというように地域的なものになるでしょうね」

 木曜日にはWTAファイナルズを含め、10月から11月にかけて中国で予定されていた男女の全11大会がパンデミックを理由にキャンセルされていた。

 イタリアでは3月にウイルスの世界的震源地となり、 COVID-19による死者は3万5000人に及んだ。しかしパレルモのあるシチリア島はあまり大きな打撃を受けておらず、最新レポートによれば現地で記録された感染者は163人に留まっている。

 大会では観客数に制限が設けられており、各試合で観戦を許されるファンは280人となっている。これにより1500人収容のスタジアムコート内の総人数は、選手も含めて327人となった。ファンだけでなく会場に参席する者は誰であれ、ウイルス検査を受けることになるという。

 チケットの販売数が減ったため、大会の賞金は2019年の25万ドルから22万2500ドルに引き下げられた。

 しかしパルマ氏は、「トップ10プレーヤーはここでの賞金について、あまり気にかけていないでしょう」と考えており、「彼女たちはただプレーしたいから、そして通常の生活に戻りたいからここにやって来るのですよ」と語った。(APライター◎アンドリュー・ダンプ/構成◎テニスマガジン)

※写真は2017年のフレンチ・オープン女子シングルス決勝でのシモナ・ハレプ(ルーマニア/右)とエレナ・オスタペンコ(ラトビア)(Getty Images)


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