今年ふたつ目となるグランドスラム「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月31日~9月13日/ハードコート)の男子シングルス4回戦で、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が線審にボールをぶつけてしまったため危険行為で失格処分を受けるという異例の事態が起きた。

 彼の行為はもちろん故意ではなかったが、全米テニス協会(USTA)は決定を下した大会レフェリーのソーレン・フリーメル氏がジョコビッチを「グランドスラムのルールブックに則って失格にした」と声明を発表した。フリーメル氏はジョコビッチの行為が、『コート内で意図的または無暗に危険なボールを打つ、結果を無視して不注意にボールを打つ』という失格対象となる危険行為に当てはまると判断したのだ。

 怒りに任せて打ったボールがコートにいたオフィシャルに当たり、失格となった選手は過去にもいる。

 今大会でまだ勝ち残っている21歳のデニス・シャポバロフ(カナダ)は2017年デビスカップのイギリス戦で怒りに任せて打ったボールを誤って主審の顔面に当ててしまい、その場で失格となった。1995年ウインブルドンではティム・ヘンマン(イギリス)がボールガールの頭にボールを当ててしまい、ダブルスの試合で失格処分を受けた。

「僕は以前に、自分自身でその経験をしたことがあるんだ。正直言って、彼に同情するよ。誰だってこんな状況にはなりたくないよね」とシャポバロフはジョコビッチを気遣った。第12シードのシャポバロフは第7シードのダビド・ゴファン(ベルギー)を6-7(0) 6-3 6-4 6-3で倒し、ジョコビッチの対戦相手だった第20シードのパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)と準々決勝で顔を合わせることになった。

「ただの偶然だよ。このようなアクシデントは起こってしまうものなんだ。僕もそうだった」

 トップハーフのもうひとつの準々決勝で第27シードのボルナ・チョリッチ(クロアチア)と対戦することになった第5シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)は、今回のジョコビッチの件について「非常にアンラッキーだった」と話した。「ボールが他のどこかに当たっていたなら、或いは数インチずれていたなら問題はなかったかもしれないのに…」。

 無観客開催となった2020年USオープンに係わる多くの異例の事態の一環として、他のコートでは主審は線審の代わりにエレクトリック・ラインコールを活用しているが、ふたつの最大のアリーナであるアーサー・アッシュ・スタジアムとルイ・アームストロング・スタジアムだけは通常の人数の線審を配置している。


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