“ビッグ3”が大会から去っても「まったく関係ない」とティーム [USオープン]

今年ふたつ目となるグランドスラム「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月31日~9月13日/ハードコート)の大会8日目は、ボトムハーフの男女シングルス4回戦とトップハーフの男女ダブルス準々決勝が行われた。

 準々決勝に「ビッグ3」がひとりもいないことを指摘して、ドミニク・ティーム(オーストリア)に大会の価値が落ちたなどと決して言ってはいけない。確かにグランドスラム大会で「ビッグ3」と呼ばれるロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)の少なくともひとりがベスト8にいないというのは、2004年フレンチ・オープンを最後に起きていなかった。

 第15シードのフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)を7-6(4) 6-1 6-1で下してベスト8に駒を進めたあと、「ビッグ3がここにいてもいなくても、それはまったく関係ないことだ」と第2シードのティームはコメントした。彼はこの試合で、88ポイント中46本とオジェ アリアシムのサービスからのポイントのほぼ半分を取った。

「誰だって自分がトロフィーを掲げているところ見たいと思っているんだ。倒さねばならない相手が誰であろうと、それは問題ではないよ」

 今季無敵の第1シードで圧倒的優勝候補だったジョコビッチは、日曜日に第20シードのパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)と対戦した4回戦の第1セットでブレークされたあと、意図的ではなかったにしろ後方に打ったボールを線審に当ててしまったために失格となった。

 新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの中での渡航を懸念したナダル、2度の手術から回復中のフェデラーは大会にエントリーさえしていなかった。つまりこれで、男子テニス「ビッグ3」のグランドスラム大会連続優勝記録が「13」で終焉を迎えたことになる。

「確かにこの3人がすべての大会でタイトルを独占していた状況は、ある意味つまらなかったかもしれない」と21歳のデニス・シャポバロフ(カナダ)は語った。彼は第7シードのダビド・ゴファン(ベルギー)を6-7(0) 6-3 6-4 6-3で倒し、同大会で準々決勝に進出した初のカナダ人となった。

 あれほど多くグランドスラムで栄冠に輝いた男たちが、今や誰ひとりいなくなってしまった。

 ボトムハーフの準々決勝では、ティームがアレックス・デミノー(オーストラリア)と、ダニール・メドベージェフ(ロシア)はアンドレイ・ルブレフ(ロシア)と対戦する。

 第3シードのメドベージェフがフランシス・ティアフォー(アメリカ)を6-4 6-1 6-0で、第10シードのルブレフが第6シードのマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)を4-6 6-3 6-3 6-3で、第21シードのデミノーはバセック・ポスピショル(カナダ)を7-6(6) 6-3 6-2で破って8強入りを決めた。

 ジョコビッチがいたトップハーフのほうは、第5シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が第27シードのボルナ・チョリッチ(クロアチア)と、第12シードのデニス・シャポバロフ(カナダ)は第20シードのパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)と顔を合わせる。

 メドベージェフは昨年の決勝でナダルに敗れはしたが、フルセットを戦い抜いて準優勝した。今大会での彼はここまでまだ1セットも落としておらず、サービスゲームをブレークされたのは3回だけだ。

「僕はどの試合でも上手くプレーできている。これが続けばいいと思っているよ。僕は実際、すべてのセットを取ってきたという事実に満足しているんだ」とメドベージェフは胸を張った。

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