フレンチ・オープンがパンデミックの中でファンの観戦を許可

フランスで新型コロナウイルス(COVID-19)の新規感染者数が増加しているにもかかわらず、2020年フレンチ・オープンではファンたちが観戦を許可されると大会開催者が発表した。

 パリ西部のロラン・ギャロスで9月27日から始まる本戦を前に、大会は健康管理のプロトコルを公開した。今年の大会開始日はパンデミックにより、通常の5月から9月末に延期された。

「国際テニスサーキットが再開して以来、ロラン・ギャロスは観客を迎え入れる栄誉を受けた最初のグランドスラム大会となります」とフランステニス連盟(FFT)のベルナール・ジウディセリ会長は語った。

 セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)とマリア・サカーリ(ギリシャ)は無観客で行われた月曜日のUSオープン4回戦のあと、フレンチ・オープンは観客に門戸を開くのに、なぜ選手たちが『バブル』と呼ばれる安全地帯の中にいなくてはいけないのかについて疑問を投げかけた。大会は選手たちに、ふたつのホテル内にとどまるよう規制している。

「もし観客がいるなら、私たちが別のどこかに滞在することだって可能であるべきだわ」とセレナは主張した。「興味深いわね。個人で家を借りたりできないのに、観客はいるっていうんだから」。

 観客がいることは問題ないが、フレンチ・オープン主催者から「私たちがどのように守られるのか」についてもっと詳しく聞きたいとセレナは言い、サカーリもこれに同意した。

「観客がいるのに、私たちは『バブル(隔離された安全地帯)』の中? 私に言わせれば、筋が通っていないわ」とサカーリは苦言を呈した。「観客がいるというのは、私にとってショッキングな発表よ」。

 パリなどの地区での観客数の上限を5000人とする最新の政府のガイドラインに従い、FFTはプランを縮小した。連盟は1日当たり2万人に相当するキャパシティの50%から60%の観客を迎えたいと考えていたが、変更を余儀なくされた。

 結果的にロラン・ギャロスは3つのメインコートを基盤に3つのゾーンに分けられ、フィリップ・シャトリエ・コートとスザンヌ・ランラン・コートではそれぞれ5000人の観客を許可することになった。そして3番目に大きなコートを囲むゾーンは、1日1500人の観客を受け入れる。

 会場ではマスクの着用が義務付けられ、大会で働くすべての人々はロラン・ギャロスの『バブル』に入るためにウイルス検査をパスしなければならない。

 大会ディレクターのギー・フォルジェ(フランス)によると、すべての選手はフランスの首都パリに到着した時点でウイルス検査を受けることになる。プレーヤーは陰性でなければプレーすることを許可されず、72時間後に2度目の検査を受ける。選手たちはそのあと勝ち残っている限り5日ごとに検査を受け、主催者が指定した2つのホテルに滞在しなければならない。

 主催者はまた、パンデミックによりもっとも厳しい財政的ダメージを受けた選手たちに対する連帯意識を示すため、早期敗退者により多くの賞金を与えることを決めた。

「1回戦負けの賞金は昨年と比べて30%増え、6万ユーロとなります」と大会は声明文の中で説明した。「予選ラウンドについても考慮され、賞金は2019年と比べて27%増しとなります。予選1回戦で敗退した選手は、1万ユーロの小切手を受け取ります」。

 フランス当局は先週の金曜日、同国における1日の新規感染者数は8000人を超え、パンデミック勃発から現在までのCOVID-19による死者数は総じて3万人に至ったと発表していた。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は昨年のフレンチ・オープン女子シングルス表彰式での(左から)ベルナール・ジウディセリFFT会長、マルケタ・ボンドルソバ(チェコ)、アシュリー・バーティ(オーストラリア)、クリス・エバート(アメリカ)(Getty Images)

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