完璧な準備を整えたハレプが14連勝を引っ提げフレンチ・オープンへ
今年最後のグランドスラム「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦9月27日~10月11日/クレーコート)の15日間に渡る本戦が、日曜日からスタートする。
2ヵ月に及ぶフィジカルトレーニング、それからクレーコートで練習を積んだ3ヵ月、それに続くレッドクレーでの2大会連続のタイトル…。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの騒動の中、シモナ・ハレプ(ルーマニア)はフレンチ・オープンに向けて準備するための完璧な方程式を見つけたのかもしれない。
日曜日にクレーコートのグランドスラム大会が始まるとき、2018年チャンピオンのハレプは世界ランク70位のサラ・ソリベス トルモ(スペイン)に対してコートに入る。
「私は厳格にスケジュールを遵守して大いに練習を積み、フィジカル面で非常に向上したわ」とハレプはロックダウン期間中のルーマニアでの日々について語った。
「だから私は走ることができ、試合ごとに自分の体がいいフィットネスレベルにあることを感じているわ。私の脚はどんどん強くなり、そのおかげで試合中に自信を感じるの。クレーコートでは、それが助けになるわ」
前年度覇者のアシュリー・バーティ(オーストラリア)が出場しないため、世界ランク2位ながらロラン・ギャロスで第1シードとなるハレプはクレーコートのプラハとローマで優勝し、ツアーが再開してから9勝0敗の戦績を誇示している。そして休止前の2月から考えると、実に14勝連勝だ。
パンデミックの間にコーチのダレン・ケーヒル(オーストラリア)と7ヵ月間も離れていたハレプは、この長い大会休止の期間をルーマニア人コーチのアルテモン・アポストゥ エフレモフ氏とともに過ごした。
「パンデミックの初期には、主にフィジカルトレーニングを行いました。というのもルーマニアでは、5月15日まではテニスをプレーすることが許されなかったからです」とアポストゥ エフレモフ氏はAP通信に話した。「それから練習が可能となり、私たちはコートに出て行ってプレーしました。すべての練習はクレーコートで行いました」。
「私たちはしばらくの間、クレーコートでプレーしていました。そうしているとバウンドやアングルなどに慣れてくるので、そのことが彼女に有利に働くよう願っています」
ハレプにとって、有利となる可能性があるものがもうひとつある。それは彼女がつい先ごろ終わったUSオープンでプレーしていないということだ。彼女はパンデミックの最中に渡航することの健康面でのリスクを考慮し、ニューヨークに行かないことを決めた。そのため彼女は他の多くの選手たちと違い、USオープンで勝ち上がったときの疲労もなければ旅の疲れや時差に苦しめらることもなかった。
イタリア国際でプレーしたハレプの最後の3試合は、ユリア・プティンセバ(カザフスタン)、ガルビネ・ムグルッサ(スペイン)、カロリーナ・プリスコバ(チェコ)と揃ってUSオープンでプレーした3人に対するものだった。プティンセバとプリスコバはハレプに対して第1セットを落としたあとに故障を理由にリタイアし、ムグルッサは長い3セットの試合が進むにつれ憔悴していった。
フレンチ・オープンが通常の5月から6月にかけての時期から秋に延期された中、より涼しく雨の降りやすい気候はハレプに有利に働く可能性がある。彼女はその滑らかな動きと向上したスタミナで、長いラリーにおいて相手を凌ぐことができるからだ。
「彼女に対してアグレッシブなテニスをプレーすることは、非常に難しくなるでしょうね」とプリスコバはコメントした。「それに彼女はすでにパリで大きな成功をおさめているから、私の意見では彼女が優勝の有力候補のひとりよ」。
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