“デンマークの新しい星”17歳タウソンがブレイクの瞬間 [フレンチ・オープン]

今年最後のグランドスラム「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦9月27日~10月11日/クレーコート)の本戦3日目は、男女シングルス1回戦残り試合と男子ダブルス1回戦が行われた。
 
 トップレベルのテニス界にデンマークの女子選手は非常に数が少ないため、すべてのグランドスラム大会を見回しても2回戦でカロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)以外の選手を見つけるには1989年まで遡らなければならない。

 それは少なくとも、この火曜日まではそうだった。予選を勝ち上がった17歳のクララ・タウソン(デンマーク)がUSオープンで4強入りした第21シードのジェニファー・ブレイディ(アメリカ)を6-4 3-6 9-7で倒し、初のグランドスラム大会本戦でツアーレベルでの初勝利を記録したのだ。それは昨年のオーストラリアン・オープンでジュニアの部を制し、ジュニア世界ランク1位にも輝いたタウソンにとって、ブレイクの瞬間でもあった。

「ただ、ここにいられることに感謝していました」とタウソンはロラン・ギャロスで3番目に大きなシモーヌ・マチュー・コートで2時間45分の試合を終えたあとにコメントした。「あんな試合を経験したことは、一度もありませんでした」。

 第3セットで2-4の劣勢を覆したタウソンは、ふたつのマッチポイントを凌いだ末に5つ目のマッチポイントを決めて勝利をものにした。

フレンチ・オープン2020|トーナメント表

 そのキャリアで世界1位に至り、2018年オーストラリアン・オープンで優勝して今年引退したウォズニアッキの活躍を見ながらタウソンは育った。

「もちろん、カロラインは私にとって大きなお手本でした。デンマークはテニス国としては非常に小さいですが、彼女はやってのけました」とタウソンは話した。「そのおかげで、私もツアーでやっていくことができると思えるようになったのです」。

 彼女は現在、フレンチ・オープンを4度制したジュスティーヌ・エナン(ベルギー)のアカデミーを拠点にしている。ベルギーにあるそのアカデミーで、彼女はオリビエ・ジュノム氏の指導を受けている。

「彼女(エナン)は今日もそこにいて、私のプレーの一部を見ていてくれました。彼女はいつもアカデミーにいて、ハローと声をかけてくれ、私の練習を少し見てくれます」とタウソンはエナンについて語った。

「彼女はインスピレーションの源でもあります。彼女は現役時代、ここフレンチ・オープンでかなりいい成績を挙げていました。だから私も、同じようにしようと努力しています」

 タウソンは次のラウンドで、予選勝者のモニカ・ニクレスク(ルーマニア)を2-6 6-2 6-1で破って勝ち上がったダニエル・コリンズ(アメリカ)と対戦する。(APライター◎ジェローム・パグマイア&アンドリュー・ダンプ/構成◎テニスマガジン)

※写真はクララ・タウソン(デンマーク)
PARIS, FRANCE September 29. Clara Tauson of Denmark reacts after her victory against Jennifer Brady of the United States in the first round of the singles competition on Court Simonne Mathieu during the French Open Tennis Tournament at Roland Garros on September 29th 2020 in Paris, France. (Photo by Tim Clayton/Corbis via Getty Images)

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