オーストラリアン・オープン予選が終了し、選手たちは15機のチャーター便でメルボルンへ

写真はオーストラリアン・オープン出場選手とコーチが隔離中に利用できる練習施設のひとつの入り口(Getty Images)

メルボルンから1万2000km近く離れた場所でオーストラリアン・オープンの予選ラウンドが終了し、男女それぞれ16人の選手が2月8日から始まるシングルス本戦に合流することになった。

 2021年オーストラリアン・オープンは新型コロナウイルス(COVID-19)の感染防止対策として検疫プロトコルが実施されるため、通常の開始日から3週間遅れてメルボルン・パークで開催される。

 予選勝者たちは15機のチャーター便で木曜日から集まり始めるプレーヤーたちのグループに合流し、到着後はすぐに14日間の検疫期間に入ることになる。

 オーストラリアに入国する旅客のために設けられたウイルス対策の規制により予選は男女とも国外開催となり、男子がカタール・ドーハ、女子はアラブ首長国連邦・ドバイで行われた。

 女子の予選勝者の中にはオーストラリアン・オープンとフレンチ・オープンのダブルスで2度ずつ優勝した実績を持つティメア・バボス(ハンガリー)、稀な遺伝子疾患を持つフランチェスカ・ジョーンズ(イギリス)もいる。ジョーンズは先天性指欠損、外胚葉異形成症を患っている。つまり彼女は双方の手に3本の指と親指、右3本と左4本の足指を持って生まれてきた。 

 男子では2020年ATPアワードで新人賞に輝いたカルロス・アルカラス(スペイン)が予選を突破し、17歳にしてグランドスラム本戦デビューを決めた。

 ケガ人や棄権者が出た場合に備え、男女それぞれ6人がラッキールーザーとしてメルボルンに向かう。彼らは本戦に入れることを願いながら、世界各国から集まってくる他のプレーヤーたちと同じように義務付けられた検疫を受けることになる。シングルスは男女とも104人の選手がダイレクトインし、ワイルドカード(主催者推薦枠)を得た各8人と予選勝者の各16人が加わることになる。

 今大会のために定められたウイルス対策のプロトコルには、すべての選手がオーストラリアに向かうフライトに搭乗する前に検査を受けて陰性の結果を受け取っている必要があるという項目がある。到着時にふたたび検査が行われ、結果が分かるまで彼らは隔離される。

 15機のチャーター便はソーシャルディスタンスを保つために定員の25%までしか埋められず、土曜日の早い時間帯に完了するように36時間で現地に到着する予定になっている。

 到着してからの検査結果が陰性と判明すれば、プレーヤーたちは厳格に監視された環境で毎日5時間のトレーニングを行うことができる。選手とチームは検疫期間の間、毎日検査を受けることになる。

 1月29日にはアデレードで検疫期間を過ごす選手たちが参加する1回限りのエキシビションマッチが行われ、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ラファエル・ナダル(スペイン)、大坂なおみ(日清食品)、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)らが出場を予定している。

 今年は規模を縮小して12チームで争われる世界テニス国別対抗戦「ATPカップ」はオーストラリアン・オープンの準備をする選手のため、WTA500の2大会およびATP250の2大会と一緒にメルボルン・パークで2月1日から5日間の日程で開催される。

 昨年のオーストラリアン・オープンではジョコビッチが2年連続8度目の優勝を飾り、ソフィア・ケニン(アメリカ)はグランドスラム初制覇を果たした。

 本戦のドロー抽選は開幕4日前の2月4日に行われ、大会は2月21日の男子シングルス決勝でフィナーレを迎える予定となっている。(APライター◎デニス・パッサ/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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