男子団体は相生学院が2大会連続5度目の日本一 [2021高校センバツ]

2大会連続優勝を果たした相生学院メンバー(写真◎上野弘明)

「第43回全国選抜高校テニス大会」(3月20~26日/団体戦:博多の森テニス競技場、個人戦:春日公園テニスコート、博多の森テニス競技場/砂入り人工芝コート)の大会5日日、25日の男子団体は決勝が3セットマッチで争われ、相生学院(兵庫)が湘南工大附(神奈川)を3勝1敗で下して2大会連続5度目の優勝を決めた。

 室内コートで行われた男子決勝はS1、D1、S2の3面同時展開でスタート。湘南工大附・田中佑と相生学院・栗山晃太朗のS1がオールキープのまま第1セットのタイブレークへ突入するソリッドな展開を見せる中、一気に飛び出したのが相生学院のS2南颯汰だった。

 南は同じくS2を任されていた準々決勝、準決勝と敗れていた。「気持ち的に緊張していたが、最後は楽しもう、自分のプレーをしよう」とコートに入り、湘南工大附の笹元紀吾を6-0 6-2と突き放してチームに1勝目をもたらした。「チームに勢いをつけられたのと、皆が自分に抱いていたかもしれない不安を払って、安心させることができたかな」。

相生学院はS2南颯汰が先勝(写真◎上野弘明)

 湘南工大附も黙ってはいない。主将でエースのS1田中が第1セットのタイブレークを7-5で制すと、第2セットも6-3で奪ってすかさず1勝1敗のタイに持ち込む。ここまで全勝をマークしてきた主将&エースがチームに勢いを引き戻したかに思えた。

 勝負の流れを決定づけたのは2番コートで行われたD1だった。相生学院の高畑里樹/大矢穣士は第1セットで先制しながら第2セットを取り返される嫌な流れにも「仲間を信じて、”横”が勝つと信じてプレーした」(大矢)。

 隣の1番コートではD2の藤田大地/藤髙聡真が、ひとつ挟んだ4番コートではS3の佐々木康大がリードを奪っていた。「自分たちが負けても、仲間が2勝を挙げてくれる」。そんな思いが高畑/大矢の背中を押したのだろう。勢いを取り戻すと、第3セットを6-1で制して日本一に王手をかけた。

相生学院のD1高畑/大矢がチームの勢いを加速させた(写真◎上野弘明)

 勝負を決めたのはD2藤田/藤髙。第1セットを6-3で奪うと、敗れた北牧は「リターンでバックの高いところを狙われて、自分たちから攻めていくことができなかった」と肩を落としたように、第2セットではギアを上げようとする相手を巧みにかわしていく。最後は6-4で相手の追い上げを振りきり、相生学院の2大会連続日本一が決まった。

「D1が決めてくれて、プレッシャーをはねのけることができたし、チームの力で勝てた。2年前と同じようにD2で決めたいと思った」と藤田。決勝で湘南工大附を相手にD2が日本一を決めるというのは、奇しくも2年前を同じ結末だった。

D2藤田/藤髙が相生学院の日本一を決めた(写真◎上野弘明)

「準々決勝、準決勝と負けていたS2南はどうなるかと思っていたが、決勝で力を出してくれた。D1の2人にはベンチで『お前たちは強い』と声を掛け続けたが、よく頑張ってくれた。どこが勝つか分からない中、最後はチーム力の勝利です」と笑顔を見せた澁谷竜矢監督。2年前はセンバツに続いてインターハイも制したが、主将の宮﨑夕は「今年も2大会で優勝したい」と夏を見据えた。

 湘南工大附は通算8度目の優勝をまたも相生学院に阻まれた。さらにさかのぼれば2011年の第33回大会でも決勝で相生学院に敗れている。「みんな普段以上のプレーができていたが正直悔しい」と主将の田中が言えば、瀬野圭紀監督もタイトゲームの連続だった大会を振り返って「ここまで頑張って、よく一戦一戦をクリアしてきた」と選手を称えたあと、「個人的には3度目の正直という思いがあった。また次、夏にリベンジができれば」と本音をこぼした。

準優勝に終わった湘南工大附は夏のリベンジを誓う

 最終日となる大会6日目の26日は、博多の森テニス競技場で男女個人の準決勝、決勝が3セットマッチで行われる。試合開始時間は9時30分の予定だ。

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編集部◎杉浦多夢 写真◎上野弘明

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