『ビッグ3』不在のマイアミでチチパスが初戦に快勝 [マイアミ・オープン]

写真はステファノス・チチパス(ギリシャ)(Getty Images)

ATPツアー公式戦の「マイアミ・オープン」(ATP1000/アメリカ・フロリダ州マイアミ/3月24日~4月4日/賞金総額429万9205ドル/ハードコート)の本戦4日目は、ボトムハーフの男子シングルス2回戦などが行われた。

 ステファノス・チチパス(ギリシャ)のような新進気鋭の選手たちにとって、今大会のドローは大会開始前から通常ほど困難でないように見えていたはずだ。

 ラファエル・ナダル(スペイン)とロジャー・フェデラー(スイス)がコンディションを整えるために出場を取り消し、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は新型コロナウイルス(COVID-19)に関する規制の中でセルビアから渡米する代わりに家族と過ごすと決めた。グランドスラム大会で3人合わせて「85」のタイトルを保持する『ビッグ3』は、揃ってマイアミでプレーしない決断を下していたのだ。

「彼らがいない大会がどのようになっていくのか、それを見るための最初のテストだ。将来的にはこういった状況がもっと頻繁に定期的に起き、恐らくはそれが普通となる時期がやってくるだろう。だからそう、僕たちは彼らがいない状況を体験しているんだよ」とチチパスは2回戦の勝利後に語った。

 第2シードのチチパスはその状況で有利になる可能性がもっとも高い選手たちのひとりであり、土曜日にラッキールーザーで本戦入りしたダミアー・ジュムホール(ボスニア・ヘルツェゴビナ)を6-1 6-4で退けた彼は幸先のよいスタートを切った。

 キャリア最高の世界ランク5位につけているチチパスは今年の戦績を15勝4敗とし、ジュムホールに対する対戦成績は2勝3敗となった。22歳の彼がサービスを駆使して圧倒し、ジュムホールは1度もブレークポイントを掴めなかった。

「今日はサービスがよかったから思うようにプレーできたよ。慌てるようなことはまったくなかったし、正しい角度を見つけて完璧に実行できた。セカンドサーブでも多くのダメージを与えることができたと感じているし、彼が先手を取ってプレッシャーをかけているチャンスはほとんんどなかったんじゃないかな」とチチパスは振り返った。

 チチパスは次のラウンドで、日本の錦織圭(日清食品)と対戦する。第28シードの錦織はこの日、アルヤズ・ベデネ(スロベニア)に7-6(6) 5-7 6-4で競り勝った。

 他のふたりの優勝候補は、ナイターの試合で勝ち上がりを決めた。

 第4シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)は最後のゲームで3つのマッチポイントを決め損ねたあと雨のために1時間待つ羽目になったが、最終的にテニス・サングレン(アメリカ)を6-1 6-2で退けた。第6シードのデニス・シャポバロフ(カナダ)もまた第3セットで雨による中断に耐えなければならなかったが、イリヤ・イバシカ(ベラルーシ)を6-7(5) 6-4 6-4で振りきった。

 この日は3つのシードダウンがあり、第10シードのファビオ・フォニーニ(イタリア)、第13シードのクリスチャン・ガリン(チリ)、第23シードのブノワ・ペール(フランス)が姿を消した。

 マリン・チリッチ(クロアチア)がガリンとの競り合い3-6 7-5 7-6(5)で制し、2月にトップ100入りを果たし将来を嘱望される20歳のセバスチャン・コルダ(アメリカ)がフォニーニに1-6 6-4 6-2で逆転勝ちし、19歳のロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)はペールを6-3 6-3で倒した。世界17位のフォニーニは、コルダがこれまに破った最高位の選手となる。

 そのほかの試合では第5シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)、第12シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)、第17シードのアスラン・カラツェフ(ロシア)、第20シードのユーゴ・アンベール(フランス)、第24シードのロレンツォ・ソネゴ(イタリア)、第25シードのアドリアン・マナリノ(フランス)、第26シードのホベルト・ホルカシュ(ポーランド)、第29シードのマートン・フチョビッチ(ハンガリー)らが3回戦に駒を進めた。(APライター◎スティーブン・ワイン/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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